【命ささげて】
そろそろ20代も終わりにさしかかっていた、ある秋の日のこと…
当時付き合っていた彼女…静江【仮名】は…
美人で、気だてもよく、僕なんかには、もったいないぐらいの彼女だったのだが…
ひとつだけ…欠点があった……
その日の夕方…
僕は、静江の部屋で、テレビを観ながらくつろいでいたのだが…
そっと近づいてきた彼女が…耳元でささやいた……
「ねぇ…私のこと…どのくらい好き?」
(キタァ~~!!)
僕は、平静を装い…
静かに微笑みながら答える……
「君になら、この命をささげても悔いはないさ☆」
「うれしい☆」
そう言って、彼女は台所に消えた…
…そう、、、
静江の、唯一の欠点は…
料理がとんでもなく下手なことだった……
そして…
僕は、いつも…
その練習相手(というより実験台!!)をさせられているという訳だった……
彼女の作る料理の…その味たるや凄まじく…
過去…病院送りになったことも、一度や二度ではなかった……
今夜のメニューは…
明らかに、食べ物の色をしていないシチュー(たぶん…)だった…
いつものように…
ポケットに、胃薬と正露丸が入っているのを確かめてから…
僕は…
スプーンを手にとった……
その後のことは…あまり語りたくないので…皆さんのご想像にお任せしますが…
不幸中の幸いと言うべきか…
九死に一生を得たと言うべきか…
その日は、病院のお世話になることもなく…
7回ほどトイレに駆け込んだだけで済んだという…
それだけご報告して、終わりたいと思う……☆☆
♪静江にならば 私の命
ささげたとしても 悔はない
※これは、実話にかなり近いフィクションです。