虚心坦懐で、跳べ! | ハート・カウンセラーkokkoの幸せの探し方

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4月の「ふみサロ」提出作品

【虚心坦懐で、跳べ!

 

鈍くさくてトロくて、鬼ごっこは最後までずっと鬼。逆上がりもできない、登り棒なんて登れるわけもない。縄跳びも飛べないし、跳び箱も無理。ドッチボールでは常にボールが当たる。小学校6年間、体育の成績は3段階評価の一番下「もう少し」。

子どもの頃、体育はだいっきらいだった。

 

そんな私が、今でも忘れられない中学3年の時の体育の授業がある。

助走をつけて片足で踏み切り、跳び越えるバーの高さを競う走り高跳び。跳躍の仕方の一種、「ベリーロール」を習った。

先生がまずお手本で跳んでみてくれた。

いつもの自分だったら、先生が跳んでる姿を見た時点で「いや、もう無理無理無理」となり、脳内でぶざまにバーに突っ込んで転んでいる自分を想像していたはず。でもあの日の私は、ふわりとバーを跳び越えた先生、すっごく気持ちよさそうだったな。私も跳びたい。まっすぐそれだけの気持ちで、バーを跳び越えた。ふわりっと体が軽やかに宙を飛んで、時が一瞬止まったようになった。体を回転させながら、空の青さが素敵だなと心が弾んだ。着地した瞬間に、クラスメイトの「わー!!」という声が耳に入ってきた。

クラスの女子の中で一番高く跳んだのは、もちろん陸上部で活躍しているWさん。だったけど、二番目に高く跳んだのは私だった。自分自身に驚いた。

どうしてあんなに高く気持ちよく跳べたのか。

 

『世界をアップデートする方法』という本の中の「無意識が体を操縦する」というページを読んで、なるほどあの日あの時の私はきっと「虚心坦懐(きょしんたんかい)」だったのだと気がついた。体育は苦手、きっと失敗する、ちゃんと跳べないと恥ずかしいなど余計な思いがなく、ただまっすぐに気持ちよく跳んでみたいというそのカラッポさによって、うまく体が操縦されたのだ。

「私は運動ができない」という私の世界がアップデートされた日。

あの日跳べた自分を私の体と心は覚えている。

 

自分の中の古い常識を破って、ここからまた高く跳ぼう!

 

(エッセイここまで)

 

*「ベリーロール」とは、お腹を意味する「belly」と回転を意味する「roll」が合わさった言葉で、お腹側からバーに飛び込み、体を回転させるようにしてバーを越える跳躍法。

 

今月の課題本は↓

 

 

 

 

 

【今回のエッセイの補足】

 

最初、数年前に書いたエッセイ「私だって、捨てたもんじゃない」(泳げるようになった話)のエピソードもちょこっと冒頭に入れていたのだけど、やっぱりこれは余計かなとざっくり切り捨てて書き上げました。

ちなみに今回のエッセイに出てくる体育の先生は、私が泳げるようになるきっかけをくれた憧れの先生ではないです。でも、この走り高跳びの授業をしてくれた先生には、中学卒業時に「中1の時から見てたけど、ほんとによくがんばった。この努力は将来活きるから!」と言われて嬉しかったこと今でもしっかり覚えてます。

 

 

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