DTCの中で、通称KBという皆から一番尊敬されている人がいました。
45歳の大柄な体格のフィリピン人。
実はこの人こそ、ゴミ山で出会ったエフレンを育て、エマニュエルというノーベル平和賞ファイナリストを育て、クリスという6歳の子を、数々のボランティアの子達を更生させていった張本人だったんです。
彼は20歳の時、ストリート・チルドレンに対するボランティアを始めていました。つまり25年間もこの活動に従事しているんです。
KBはいつもエフレンの後ろにいて、精神的に彼を支えていました。
エフレンの考え方や哲学は全てこのKBに教わったというんです。
つまりこの影の立役者、KBという人物が皆のメンターのような存在でした。
僕はこの方からも多くのことを教えてもらいましたが、なぜ彼がこの活動を始めたのかという彼の人生ストーリーは、少し信じられないような、本当の話でした。
・・・
1985年、KBは19歳の時まで筋金入りのギャングだったといいます。
親から暴力を受け、米軍に入りフィリピンから脱出しようとも試みましたが失敗し、その年のクリスマスの夜、「もうこんな人生意味がない。こんな人生、神にくれてやる」(フィリピンはキリスト教の国)と、ドラッグを大量に飲み、酒を飲み、リストカットをして自殺を図ったというのです・・・。
でも翌朝、KBは朦朧と目を覚ましました。
なんと生きていたんです。
その時彼は「自分にはこの世でまだ何かすべきことがあるのではないか?」と直感的に感じたらしいんです。
そして翌年1986年の元旦に新年の新たな決意をしようと長らく足を運んでいなかった教会に向かいました。
教会の中で説教が始まりましたが、なにやら外がうるさい。
KBが外に出て見ると、ギャング達が教会の外で騒いでいたらしいのです・・・。
KBはギャング達に対して怒って注意しました。
「お前達、教会の周りでうるさくしてはいけないと学校で習わなかったのか?」
するとギャング達はこう応えたと。
「学校には行けなかった。」
・・・
(これだ!自分がやらねばならないことなんだ!神が自分をこの場に導いてくれた!一度捨てた人生、これからの人生はボーナスだ。もう人のために生きてやろう!)
KBはそう心に誓い、以来25年間、ストリート・チルドレンへの教育活動を無償で行ってきたというのです。
そしてその活動を通し、CNN
HEROを、ノーベル平和賞ファイナリストを、数多くの誠実な少年、少女を育ててきました。
何か物語のような、嘘のような本当のような話なのですが、僕は本当の話だと思いました。
何故なら何か言葉では言い表せないオーラというか空気というものを、この僕でもKBからやはり感じました・・・。
昔は今と違い本当に悪かったと本人は言っていますが、想像も出来ないほど今はユーモア溢れる優しい人です。
自分の人生をゆっくり回顧しながら話してくれた後にKBが最後に言った一言が印象的でした・・・。
People can change and I changed.
(人間は変われる。そして俺は変わった。)












