2009年、大学生活の最後の年。
悶々とした日々を送っていました。
年末実家に帰省しても、これまた一人部屋で翌年からのビジネスライフのことで悩んでいました。
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そんな一人寂しいクリスマスの夜、気分転換をしようとテレビをたまたまつけたんです。
すると米国CNN放送で「HEROES」という特番の再放送が流れていました。
そして画面上には一人のフィリピン人が・・・。
まさか、その後の人生が、この瞬間に変わる等、知る由もありませんでした。
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ところでこのCNN「HEROES」という番組に関して少し最初に紹介しておきます。
この「HEROES」という番組、世界中で人道活動している名もない方々に対して、例えば「この国でこういうことをしている方がいる。」という具合にCNNのWEB上に誰でもノミネートできるんです。その後、何百万票と世界中からオンラインで投票が行われ、TOP10が決定。感謝祭の日にアメリカの大きなシアターで表彰され、中でも一番投票数が多かった者がHERO of the Yearという賞を与えられ、表彰されるといった内容の番組です。
アメリカのみならず世界中で放送される有名な番組で、僕が観たのは2009年、その栄えあるHero of the Yearに輝いたのはエフレン・ペニャフロリダという28歳のフィリピン人でした。
このエフレン氏、何をしているのかというと、Dynamic Teen Company (以後DTCと表記)というNGOを立ち上げ、フィリピン、マニラ郊外にあるゴミ山で働くストリート・チルドレン達に無償で教育活動を12年間も行っていたんです。
同氏によると、このゴミ山で育つ子ども達はほとんどが将来ギャングになり、刑務所に入りと、人生を棒にふってしまうケースが多いらしい・・・。
エフレン自身もこのゴミ山付近で育ち、幼少期ギャングにイジメられていました・・・。でも彼は幸運にも小学校に通えたらしく、奨学金を受け、高校まで進学しました。
「自分は教育を受けたことで人生のチョイスを頂いた。このチャンスを他の子ども達にも与えたい。」
そのような熱い想いを胸に、彼は16歳の時、高校のクラスメイトと共にDTCを設立、子ども達のためのボランティア活動を始めました。
ゴミ山で働く子は生計を立てるため、学校に行く暇がないとよく聞きます。であれば自分たちから行ってやろうと、台車に小さな黒板とチョーク、ノートに鉛筆を入れ、ゴミ山までそれを押し歩き、なんとそのゴミ山の上で授業を始めたというんです。
それ以来、近くの高校生や大学生のボランティアの子ども達と一緒に読み書き能力、算数、歯磨き等の衛生指導を行い、これまで多くのゴミ山の子ども達を更生させていきました。
その活動の功績が今回称えられたのです。
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僕がまさにテレビをつけた時、エフレン氏が壇上で表彰され、スピーチをしていました。
そのスピーチに心が震えました・・・。
「私達の地球上はヒーローで満ち溢れています。年齢や貧富の差、性別や人種、体型等に関わらずにです。私達は偉大なるひとつのタペストリーなのです・・・。私達一人ひとりの心の中にヒーローが潜んでいます。ただ、その心の中のヒーローを見つめ、探して下さい。そして隣で必要としている人のヒーローになってください。
今、この会場にいる皆さんやテレビを見ている皆さんの心の中のヒーローは解き放たれることを待っています。そのために、他人に目を向け、その人に尽くし、また尽くすことに喜びを見出してください。
いつもボランティアの皆に言っています。君が夢見る世界にするために先ずは君自身が変わりなさいと。私も私自身が夢見る世界にするために、私自身が変わります。そして一人ひとりがそのように変わっていけば、世界を変える必要はなく、もうその瞬間、世界は自ずと変わっているでしょう。」
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久しぶりに心が動きました。
自分の心は自ずと欲しているものを知っているのか、気がつけば涙が溢れていました。
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僕はいても立ってもいられなくなりました。
(よしっ、就職する前に自分自身に杭を打っておくために、フィリピンに行こう。)
バイトでお金を貯め、航空券を買い、いつもからっているリュックサックに2枚のTシャツとショートパンツ、そしてトイレットペーパーを入れ、気づいたときにはもう関西空港のロビーで搭乗案内を待っていました・・・。
出発1週間前、DTCがあるであろう地域で日本人男性が強盗グループにより殺害されたニュースを耳にし、小心者の僕はかなり恐怖に苛まれました。
でもそれが僕を止める要素にならないくらい僕の中ではエフレンに会うことの想いは膨らんでいたんです。
2010年2月9日、マニラ到着。
その後数日間、マニラ近郊の学校やゴミ山を周り探しました。
13日の土曜日、遂にDTCの場所をつきとめ、念願のエフレンと遂に初対面しました・・・。
嬉しさのあまり感極まって泣いてしまいましたが、エフレンは優しく肩を抱いてくれ、残りの滞在期間、一緒に行動することとなったのです。
エフレン率いるDTCの活動に参加し、感じたことをこれから書き綴りたいと思います・・・。


