歴史書で知られる吉川弘文館のPR誌です。
巻頭エッセイは,民俗学者 福田アジオさん。幼い頃の空襲の記憶を紹介しています。しかし,その記憶を文章に書けるようになるのは,ある程度成長してからのこと。時間の経過と共に後からの知識や情報がつけ加えられていくので,文字資料に接するときには気をつけなければならない点だそうです。
確かに,物事の名前は後から知ることですし,逆に記憶が不鮮明になることも考えられます。調査の難しい側面ですね。
新刊で注目したのは,次の本です。
児島恭子『アイヌ語地名の歴史』
※アイヌ語を起源とする北海道の地名を通してアイヌの文化をたどる内容。
香川雅信『妖怪を名づける 〜鬼魅の名は』
※江戸時代に爆発的に妖怪の種類が増えた謎とは? 江戸の世に何が?
梶川敏夫『ビジュアル再現 平安京 〜地中に息づく都の栄華』
※遺跡発掘調査の成果をもとに再現した平安京。そのイラストを見たいものです。