発行当時は,「中学生作家」による作品というところばかりクローズアップされていた感がありましたが,
そんな形容詞は必要なく,普通に面白かったです。もちろん,並みの作品という意味ではありません。
とにかく,母娘の本音の会話が歯切れ良くて痛快。そして,小学6年生という多感な少女の複雑な思いが,きめ細かく表現されています。
全部で5つの章から成っていますが,最後の章「さよなら,田中さん」だけが同級生の男の子の視点から見た田中さん母娘が描かれています。それまでの4つの章のエピソードと,ところどころでリンクしているところがミソ。男の子だけでなく,読んでいるこちらも,たくましく生きる母娘から元気をもらいました。
ちなみに「さよなら」して去るのは,田中さん側ではなく,男の子の方です。