岩波書店のPR誌です。昨日は臨時増刊の方を紹介したので今日は本誌の方を。
「『役に立たない科学』の愉しみ方」と題した池内了,福岡伸一,内田麻理香,三氏による座談会が面白かったです。
「科学」と称した疑似科学が最近多いという指摘になるほどと思いました。「サプリメント」「コラーゲン」など健康や美容のことを「科学的に」説明されると買ってしまうように商売と結びついている部分が大きいのですね。
考えてみると「メタボ」なんかもあやしいものです。国民にやせろといいつつ関連産業を太らせているようなものです。
座談会でもヘキサゴン見ておバカを笑っている人でも簡単にだまされてしまうと言ってました。だまされないためには単に知識だけではいかん,もっと思考力を高めるべしということでしょう。
商業主義と結びついた疑似科学と違って本当の科学はあまり役に立たない文化だけれど,知りたいという気持ちが本物の教養につながっていくという点で小学校からの教育が大切なのだとわかりました。
中村亮二氏の『手癖の悪い翻訳家』は,日本語の小説をフランス語に翻訳されている方ならではの日本語論や翻訳論が垣間見えて興味深かったです。
椎名誠さんの「地球の壊し方」が地球や人類の破滅もの小説をいくつも紹介していて,思わず読みたくなりました。核戦争,環境破壊,太陽光線,惑星衝突など人類が滅びる要素はたくさんあるのですが,植物が全て死滅したら,子どもが生まれなくなったら,女性ばかりが死んだらとじわじわとくるシチュエーションのものはこわそうな気がします。
好きだった連載,青柳いづみこさんの「六本指のゴルトベルク」が最終回となりました。残念です。最後は音楽家として食べていくことと音楽への情熱の問題がとりあげられています。特にクラシックは大変だとよく聞きます。でも青柳さんには文筆家としてピアニストとしてよい仕事を続けてほしいです。