東京大学出版会のPR誌です。
今回は映画評論家 蓮實重彦氏とアナウンサー 久保田智子さんの対談が15ページにわたって掲載されています。
蓮實氏の新刊『映画論講義』に合わせての企画ですが,ヘップバーンといえばオードリーじゃなくてなんといってもキャサリンの方とか,自分の見ていない映画について語った文章を読んで自分はまだ見ていないと意識できないのは悲しいとか,戦争体験,ゴダールへの思いとか多岐にわたる内容でしかも氏のこだわりが感じられるものでした。
もう一つ,興味を持った論考は宇沢美子氏の「仮装/仮想の日本人『ハシムラ東郷』」です。
アメリカ人のもつ日本人のイメージとして有名なのは,メガネをかけて出っ歯でカメラを首からかけてきょろきょろしている姿ですが,「ハシムラ東郷」こそがその原型なのだそうです。
ただし「ハシムラ東郷」は実在したわけではなく,20世紀前半にアメリカ人作家が仮想の日本人を作りあげて彼の名でアメリカ文明批評のコラムを書いていたというもの。
当時の人気はすごく,早川雪舟主演で映画化されたほどだそうです。ぜひ見てみたいものです。
それが戦争が始まると敵役として憎まれ,戦後はすっかり忘れられてしまったとのこと。
しかし当時の日本人像やアメリカの社会背景,民族問題を知るのに適した素材かもしれません。
詳しくは宇沢氏の新刊『ハシムラ東郷~イエローフェイスのアメリカ偉人伝~』でということになりますが,戦前の日本人がどう見られていたのか興味があります。読んでみたいです。