職場のお昼の電話番は当番制になっている。

電話番の人はお昼休みが30分しかない。なので、11時30分にひと足早く食べに行くか、一時間後の1時から食べに行くかのどちらかになる。30分というのはとにかく慌ただしい。何故かは分からないが、昔からそう決まっているらしいのでみな仕方なく受け入れている。


昨日は電話番だったが、午前中の打ち合わせが長引き、時計を見ると11時40分になっていた。


貴重な30分なので、お腹の虫は今にもグーグー鳴きそうだったが、1時まで我慢することにした。


月曜日の社食のメニューはそば、うどんと決まっている。12時になると、みんな連れだって社食へ向かう。

お局様は何やら忙しげにしているので、ほかの二人はお先に、とそそくさと出掛けていった。


続いて、部長がお局様に先に行っていい?と声をかけ、となりの部署の次長と連れだって社食に行った。


しばらくしてお局様が打ち合わせから戻ってきた。大変ですね、と声をかける。そうなのよ、やんなっちゃう、そう言ってようやく食事に出掛けていった。

そして、誰もいなくなった。つかの間の静寂。


1時10分前になると、アラフォー(正確にはすでにフォーだが)の先輩が戻ってきて、席に着くなりばちばちばちと忙しげにキーボードをたたき始める。

5分前。20代の後輩が席に着いた。


時計の針をチラチラ見ながら、1時ジャストに社食に出かける。

1時になると社食には人はまばらだ。ふと見ると、まだお局様がうどんをすすっていた。


一瞬、後退りしたものの、仕方なくお局様の前に座る。


あれ?という顔をされたので、行きそびれちゃって。と言うと、あ、そうだったんだといつになく優しい。(これがまたコワイのだけど……。)


うどんに今日は大好物のコロッケが付いていた。


ソース気を付けな、どばーっと出ちゃうから。とお局様の親切な忠告を聞いたのに、どばーっとやってしまった。


いつもソースはほとんどつけないんですけど、ついてないなァと言うと、へぇそうなんだ、私はソース好きで、マヨネーズとかケチャップとかを混ぜて食べるよ、とお局様。


じゃあ、お好み焼き好きですか?と言うと、うん、あたし、麺、パン、粉もの全般好きなんだよね。でも旦那が粉もの嫌いなんだよね、休みの日にホットケーキをおやつに焼いて出すと怒られるよ。


一瞬にラーメンとか食べ歩きできなくて寂しいですね。と言うと、そうなのよ、行列に並ぶのも旦那は嫌いだからさァ。休みの日は旦那はいつもパチンコだから。あ、あたしはスポーツジムに行くんだけどね……。


私もパチンコ行ったことありますよ、パチンコ冬ソナがやってみたくて。へぇなんか意外~。と驚くお局様。


お好み焼きからパチンコの話にまでふくらみ、じゃ、お先。とお局様が席を立った。


隣で社食のおばちゃんがうどんをすすっていた。あの、このソースの容器どばーっと出ちゃうんですけど……。と言うと、ああ、これね、ここを押さえながらやると少しずつ出るよ。ソースが出てくる穴が二つあって、片方の穴を指でふさいで出すといいらしい。


いいことを聞いたので、席に戻って早速、お局様に教えてあげよう。


すると、お局様はまた何やら忙しげにしていた。いまソースの話をしたらギロリとにらまれそうだったので、言うのを辞めたのだった。


近づいたたかと思うと、遠ざかる。この距離感がむづかしい。


昨日は久しぶりに早く帰宅した旦那さまと夜のウォーキングにでかけた。


早く帰宅したといっても夜の10時過ぎ。それからご飯を食べて、家を出たのは11時近くになっていた。


いつも行くTSUTAYAへ歩いていく途中、旦那さまが仕事の話をあれこれしていて、相づちを打ったり、アイデアを出したりしながらいろいろな話をした。

途中、桜木町駅に続く長い地下道の壁をとおると、名物になっていた落書きアートがすっかり消されて、無機質なコンクリート色になっていた。


線路を抜け、銀杏並木を通ると、夜の冷たい空気に銀杏の刺激の強い匂いが鼻をつき、二人でクサイ、クサイと笑った。


TSUTAYAで二階のDVDコーナーをひととおり見てから、一階のブックコーナーで話題の本をしばらく読んでいると、旦那さまはちゃっかりレジに並んで本を買っていた。


帰り道、風が一層冷たくなっていた。休日にはいつも賑わうみなとみらいの街は、レストランもショップも映画館も灯りが消えて静まり返っている。


数人の少年たちが、スケボーに乗って物凄いスピードで風を切りながら、ガラガラと音を立てて地面を滑りながら走り去っていった。

彼らの軽快な背中を見ながら、あんなにスピード出してよく恐くないよね、と言うと、旦那さまはいや、若いねぇとつぶやいた。


家に着いたのは1時を過ぎていた。ほどよい疲れでぐっすりと眠ることができた。
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今日も秋晴れの良いお天気だった。


毎日オフィスにいると、お天気を満喫せずなんだかもったいない気持ちになる。


お昼休みに街をぶらぶらと歩いていると、あちらこちらにハロウィンの飾りつけが目を引いた。


大きなかぼちゃがぼんぼりのようにぶらさがっていたり、ベンチにかぼちゃのアレンジメントがちょこんと置いてあったり。


すがすがしい秋の澄んだ空気の中、はっとするほど鮮やかなオレンジ色のかぼちゃが眩しい。