今日のトピックはもうハーレー乗りならよく耳にする『ツインカム88エンジンのチェーンテンショナーの摩耗』について。
画像に見えるカムチェーンの張りを調整する役目がオレンジ色のパーツ(スライダー)。
このスライダーがチェーンに常時接触しているので適正な張りに調整されている。
ざっと簡単に説明するとこんな感じ。
ツーリング・ソフテイルモデルは2006モデルまで、ダイナモデルは2005モデルまでの機構。
このスライダーも堅い樹脂みたいなもの。
長年にわたりエンジン回転に合わせてこのチェーンも回転するのでこのスライダーも摩耗してきてしまうということ。
今回の該当モデルは2006モデルFLSTC。走行距離30,600km。
今回のチェックではまだ早急に交換というレベルではなかったのでここまで。
ついでにその奥のパーツ、箇所もチェックできるような秘密兵器も。
秘密なんて言うほどのものでもありませんが、内視鏡カメラもどきのツール。
立派なたか~いSNAP-ON製です。
こういうものも使って目の届きにくい箇所も無駄にパーツを取り外すこともなく点検診断が可能というわけなんです。
仮に今回このスライダーが摩耗しきっていたらもちろん修理交換を強くお勧めします。
放っておいて直るものでもなく、カムチェーンが張りが緩んでバタつくとカムシャフトの回転にも多大なる影響が。
最悪カムシャフトのみならずクランクシャフトの損傷にもつながります。
もうそうなるとエンジンそのものがご臨終と思っていていただいた方がいいかも。
元のチェーンスライダーへ交換修理もいいんですが、交換するとなったらやっぱりそこはグレードアップ&安心感がほしいところ。
こういう風にアップグレードをおススメ。
油圧カムチェーンテンショナーへの変更。
この機構はダイナなら2006モデル以降、ソフテイル・ツーリングなら2007モデル以降に全採用。
チェーンスライダーの厚みにより張り調整⇒スライダーに油圧かけて張りを調整 という機構に変更。
こうすることでスライダーが摩耗しても油圧かけて押してくれているから絶えず適正なチェーンの張りが保たれているということ。
ちなみにハーレー純正の油圧カムチェーンテンショナーキットは・・・
品番:25284-11
キット価格:¥129,242-(税込)
参考までに作業工賃は・・・¥88,000~。
完全にオレンジ色のスライダーが摩耗しきっていました。
さらにプレートの内側のスライダーは完全に破断。
もうこうなると大惨事の一歩手前。
もしやカムシャフトの回転にも影響が?と懸念があったのでシャフトのゆがみも点検いたしました。
そこには影響はなく事なきを得た次第。
ちなみにこの車両は2003モデルツーリングモデルで走行距離は5万キロオーバーでした。
走行距離で一概に線引きできないこの症状。
ツインカムエンジンでキャブレター車にお乗りのオーナーさん、距離はともかく年数としてはかなり経過しているのは事実。
エンジン内部は思いもよらないことも起きてたりすることもあります。
ハーレー正規販売店、ハーレー専門ショップなんかに一度相談してみることを強くお勧めいたします。