ご無沙汰しております。福谷です。
何度かに分けて、近況を報告しようかと思ったのですが、
仕事の状況が二転三転しており、
まとめてご報告させていただきます。
まず、なかなか続編の発表ができない
映像版『心霊写真部』の情報。
事実、これまでにも何度か続編製作の話はあって、
具体的な作業に取りかかったこともあるのですが、
結局今の今まで正式なゴーサインには至っていません。
後一歩の所まで来ているのですが……。
そんな中、
ニコニコ生放送の真夏のホラー映画イベントが
今年も開催され
(『ニコニコホラー百物語』 )、
なんと昨年に続いて、
『心霊写真部 壱限目&弐限目』が放映されることが決定しました。
放送は7月31日(水)夜11時30分より。
『壱限目』『弐限目』が連続して放送されます。
昨年夏に続いてのニコ生ホラーでの再上映は、
『リング』『呪怨』『着信アリ』など、限られた作品のみ。
たぶんきっと前回の、まさかの高評価のおかげと思いたいです。
今回の放映をぜひ新作への弾みに、
いや、これが最後のチャンスと思っています。
ともあれ堅苦しいことは抜きにして(笑)、
ニコ生ならではのツッコミを入れながら、
痙攣部もとい心霊写真部の世界を楽しんでもらえれば幸いです。
今回の『ニコニコホラー百物語』では、
計100本のホラー映画が上映される予定ですが(全部見ると何かが起きる!?)、
その中には、私の関わった過去の作品も含まれます。
まず、
8/5(月)には、私が『企画協力』とクレジットされ、
同時に小説版も担当した
映画『トワイライトシンドローム デッドゴーランド』。
監督・脚本を担当したDSゲーム
『トワイライトシンドローム 禁じられた都市伝説』と
連動する形で製作された映画なのですが
(他に『トワイライトシンドローム/デッドクルーズ』がありますが、今回は未放送)。
見た人ならおわかりですが、
いろいろあって、ゲームとはあまり関係の無いテイストになっています。
なぜこうなったのか、『企画協力』とはなんぞや?という疑問は、
放送直前にちゃんと書かせていただきますので、お待ち下さい。
小説版は限られたスケジュールと条件の中で、
できるだけオリジナル・ゲームとの接点を見出そうと苦闘しています。
トワイライトシンドローム―デッドクルーズ/デッドゴーランド (幻冬舎文庫)/幻冬舎
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その結果があのオチ(小説オリジナル)につながったわけですが……
(いや、個人的にはあれハッピーエンドなんですよ。
だって主人公は最後、笑顔でしょ……)。
ぶっちゃけトワシンというより、
別の映画として楽しんでいただくのがベストと思います
(超低予算ながら安里監督の演出にも切れがあると思いますし)。
そして8/9(金)より、三夜連続で、
『渋谷怪談』『渋谷怪談2』(脚本&小説版)、
『渋谷怪談 THEリアル都市伝説』(監督、脚本、小説版)。
『渋谷怪談1&2』は、
水川あさみさんや、
これが映画初主演の堀北真希さん(当時14歳!)、
ブレイク前の松山ケンイチさんらキャストも豪華で、
私にとっても初脚本&小説デビュー作ということもあり、
とても思い出深い作品なのですが……、
自身の反省ばかりが目立つ作品です。
本格Jホラーをやりたい製作サイドの意向と、
新しい都市伝説ホラーをやりたい自分の考えが、
最後までうまくかみあわず、まとまっていません。
都市伝説ホラー映画というジャンルはそれまで日本にはなかったので、
なんとか定着させたかったのですが。
撮影後に執筆した小説版は、映画を尊重しながら、
かなり我流に軌道修正しています。
渋谷怪談 (竹書房文庫)/竹書房
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『THEリアル都市伝説』も、
監督させていただいた立場で言うのなら、
福士誠治さん、紗綾さん(当時小六!)、
泉正行さん、宮下ともみさん、栗原瞳さん、虎南有香さん、しほの涼さんら、
魅力的なキャスティングをもっとフルに生かしたかったと、こちらも反省しきりです。
それでもマイケル・T・ヤマグチ氏の特殊メイクの素晴らしさや、
実際にいわくつきの都内の廃虚で寝泊まりしながら撮影したことなど、
思い出もいっぱいあります。
この作品は同時進行で原作の小説版も執筆していたのですが、
諸般の事情から映像化されなかったエピソードがいくつかあり、
読者からも「こっちが断然怖い。どうして映像化しなかったんですか」と、
おしかりを受けました。
過激さでは間違いなく小説版ですね。
ここでの未映像化のエピソードは、
別の機会で映画化の話も浮上しており、
いつか実現させたいものです。
渋谷怪談THEリアル都市伝説 (竹書房文庫―TA-KE SHOBO ENTERTAINMENT.../竹書房
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これらの作品での反省と苦闘が、後の『心霊写真部』などの、
作品に生かされていると思いたいです
ともあれ容赦のないツッコミを入れながら見ていただけたら本望です。
さて、ニコ生の放送の前に、
私がノベライズを担当した
映画『高速ばぁば』が今週末より東京で劇場公開されます。
このノベライズも、実はけっこう悩みました。
高速ばぁば (TO文庫)/ティー・オーエンタテインメント
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映画を見ていただければわかるのですが、
これ、小説向きの作品じゃありません(笑)。
もう王道のJホラー・ムービーなのです。
映画には映画の楽しみがあります。
それは単に活字に変換しても出せない味みたいなものです。
小説は小説向きに、大半をオリジナルに刷新することも考え
(クーンツの映画ノベライズ『ファンハウス/惨劇の館』のように)、
執筆前、依頼された出版社の編集者にプロットを二案出しました。
第一案は映画に忠実なストーリー、
第二案は映画と一部リンクした小説オリジナルストーリー。
実は、オリジナルの第二案プロットも出版社で好評だったのですが、
やはり出演俳優のファンの方も役柄を想像しながら読まれると思うので、
編集者と話し合い、
最終的には映画と同じ流れの第一案で書いています
(第二案だと、クライマックスの真相や展開は、
相当おぞましいものだったので、
たぶん役者のファンには受け入れられないでしょう……)。
とはいえ映画の内容だけでは、文庫本一冊には足りません。
結果として、映画の展開を補足する形で、
ホラーの見せ場を倍増させています。
イメージとしては、
“予算やスケジュールの都合でカットされたであろう見せ場”です。
登場人物の日常をふくらませてもよかったのですが、
映画が王道なら、こちらもベタコテで、
テンポを緩めるのは得策ではないと思いました。
あ、ちなみに、ラストは小説オリジナルです。
基本の流れは同じまま、
要所要所で、小説も独自にアレンジして掘り下げています。
ぜひとも映画と小説の違いと接点を楽しんでいただけたら幸いです。
小説といえば、
ソニーデジタルの携帯サイト『ヒトコト』で無料配信中の
『童謡あそび』。
この七月からはiTuneストアでも、
『童謡あそび 前編』がダウンロード販売されることになりました(150円です)。
https://itunes.apple.com/jp/book/tong-yaoasobi-qian-bian/id673064914?mt=11
ちなみに後編(完結編)もまもなく『ヒトコト』で配信予定です。
マツオヒロミさんのイラストが本当に素晴らしいです。
作品の世界観はもとより、
伏線や謎解きのヒントが巧みに散りばめられています。
『童謡あそび』は現在スマホアプリのみので読めますが、
紙の書籍化計画も進行中です。
決まり次第報告させていただきます。
今年前半は小説の発表ばかりでしたが、
後半はなんとか映像作品にも力を入れていきたいと思います。
霧塚タワー (TO文庫)/ティー・オーエンタテインメント
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