2 | ヒカリカオル

ヒカリカオル

小説のブログです

 

 鍵はここしばらくかけた事がない古めかしい

引き戸の玄関を開けると、和室の炬燵机の上にラップに包まれた

おにぎりが見えた。


 しめた 今日はお母さん遅番だな


 母は駅前の大手スーパーでパートをしている

車で30分程走ったとこにある町一番のスーパーだ

2年前に出来て夜の11時まで営業している。

こんな田舎で夜の11時まで営業している理由は見当たらない

9時をまわれば駅前の交番だって電気が消えるのに、、、

融通の利かない大企業が異彩を放つように煌々と明かりを灯している。



 さっきまでのモヤモヤが少し晴れた


 未だに進路の決まってない私は、親から何かと五月蝿く言われて

家に居ても居心地が良くなかった。

 おにぎりの横の書置きを目でさらっと読み おにぎりを片手にとった




今日は遅くなります。冷蔵庫に煮物があります。


                         母より




 案の定の内容と見慣れた几帳面な文字を横目に私は2階へ上がった

階段を上がると正面にあるガラス戸から鯉の泳ぐ川とそれを狙う大きな白い鳥が見えた

この季節によく見る光景はガラス戸からの景色というよりは、

曇った絵画のようにそこに張り付いて動くことのない世界のように思えた。 



 左側のドアを開け お気に入りのピンクの雑貨コーナーの近くにかばんを放り投げた


 自分の部屋が世界一落ち着く


 私はおにぎりを頬張りながら 高校入学のお祝いで買ってもらった

ピンクのPCに電源を入れた。