【施設職員のための介護記録の書き方】第25回:介護場面別 記録文例—認知症ケア | 梅沢佳裕(生活と福祉マインド研究室)

梅沢佳裕(生活と福祉マインド研究室)

このブログは、高齢者福祉、ソーシャルワーク、介護保険情報、研修やセミナー、福祉関連専門書の執筆活動の一端を情報発信し、関係者の皆さまへ活動内容をご紹介することを目的としてして運営しています。

認知症ケアの記録は、その後の介護方針の検討の際にも積み重ねた介護記録が、非常に役立ちます。利用者との関わりを介護記録に残すことで、振り返った際にその利用者の状態像の変化に気づかされることも有ります。しかし、認知症には、さまざまなBPSDがあるため、率直に記録として表現してもよいのか、戸惑うことも有るはずです。認知症高齢者が増加するなかで、介護職として関わらない日はないのではないかと思うくらい、認知症ケアの記録に機会は多いのではないでしょうか。

●認知症ケアの場面での介護記録の観察ポイントは次のとおりです
*行動障害・・・一人で外出しようとしないか、大声を出すなどないか

*幻聴・幻覚・幻想・・・そのような言動がみられるか

*コミュニケーション・・・つじつまの合わないことを話していないか

*身体状態や精神状態・・・歩調はしっかりとしているか、精神的に安定しているか

*対応方法・・・徘徊などの際にスタッフがどう対応しているか、利用者のペースに合わせて対応したか

●認知症ケアの場面での使える文例(下記の著書の一部をご紹介しています)
*記憶障害の対応
○○様が「初めまして…」と話すので、介護スタッフも話を合わせて「初めまして、△△と申します」と挨拶した。「ああ、△△さんね」と言うと、にっこりと笑みを浮かべた表情をした。スタッフがお茶を差し出すと、おいしそうにすすりながら、落ち着いた様子だった。
【記録のポイント】
利用者がどうような言動を発し、それにどのように返答したのか、やり取りを書きます。

*場所の見当識障害
○○様が一人で施設の外へ歩いていくので、介護スタッフが後を追った。10分ほど歩いたところで、行き止まりの路地へ迷い込み、急に困惑した表情で周囲を見渡している。○○様の名前を呼ぶと、「ここは、どこだ?」と尋ねられた。
【記録のポイント】
場所の見当識障害では、しばしばこのように自分の居場所が分からなくなります。その時の心情を察するため、表情や言動を書き留めて、スタッフ間で共有することが大事です。

※さて、今回の介護記録のブログは、ご参考になったでしょうか?

この『介護場面別 記録文例—認知症ケア』のブログに引用している私の著書には、上記のほかにもまだまだ沢山の文例を掲載しています。使える文例は上記のほか、「時間の見当識障害の記録」や「妄想への対応の記録」「昼夜逆転の記録」「幻覚・幻聴の記録「徘徊の記録」「大声への対応」「弄便更衣への対応」などなどございます。ぜひ書店等でお手にとってご覧いただけますと幸いです。

【次回テーマ】第25回:介護場面別 記録文例—対人トラブル

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「介護職スキルアップブック 手早く書けてしっかり伝わる!介護記録の書き方&場面別文例集」


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このブログは、高齢者福祉研究☆梅沢Lab主宰 梅沢佳裕が、これまで発出されてきた論文、専門誌、Web、その他さまざまな知見や情報をもとに、上記の筆者著書の中からブログ「施設職員のための介護記録の書き方」として配信しているものです。
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