声、語り、歌、ヴォイストレーニング1日1話 -4ページ目

声、語り、歌、ヴォイストレーニング1日1話

歌手、声優、俳優、芸人、ビジネス、一般、声に関心のある人に。
プロ、トレーナーも含め、トップレベルのヴォイトレ論を展開します。

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のど声の直し方

 

 ここのレッスンに来ると、今までのどで歌っていた、

間違ったトレーニングをやっていた、無駄だったと思って、

がっかりする人がとても多いようです。

しかし、今までは、のどで歌っても何とかなるような程度の歌しか、

わからなっただけです。

これから、お腹から声を出せるようにしていけばよいのです。

 

声がしっかりできてくると、

のどで歌うことのロスの大きさが体にもわかりますから、

しぜんと体から歌えるところへいきます。

 

体から歌うのに、のどを締めたりしていると、のどを壊します。

なので、うまく使えるようになってくるのです。

強い体や息であれば、のどで歌うと壊れてしまうので、

おのずとよい歌い方、よい声、よいヴォイストレーニングになっていかざるを得ないのです。

 

ですから、あまり気にせず、フォームを大切にして地力をつけていけばよいのです。

ただし、体の力をストレートに使おうとするのでなく、

切り替えることは忘れないようにしてください。

 

アマチュアでもプロのトレーニングを

 

トレーニングの厳しさを述べると、プロになるわけではないから、

と思う人もいますが、歌うことにプロもアマチュアもないわけです。

トレーニングにもアマチュア用があるわけではないのです。

上達したければ、最初から本格的に取り組んだ方がよいのです。

 

 厳しいとはいえ、スポーツ選手のように、

毎日、何時間も続けてトレーニングできるわけではないのです。

30分でもよいから、毎日、続けて行えるかということです。

 

要は、トレーニングの中身なのです。

この質が、うまくなる人とならない人を決めます。

 

 質を決定するのは、その人の意識です。

問題意識と上達意欲です。

欲すること、自分の欲するものを確実に手に入れるように、自らトレーニングをセッティングできることです。

 

カラオケのうまい人とヴォーカリストとの違いは、単なる自己満足か、自己満足を徹底し、そこを通り超して、他人に価値を与えるところまでもっていけるかということです。

人様のために価値のあることをしなくては、世に認められません。

 

同じ歌を歌っても、一方はお金を払って歌い、一方はそれによってお金を得られます。相手にどう働きかけられるかで差がつくのです。

 

 自分の力で歌っているところから、自分の力以外のものを感じていく人が、どんどんとうまくなるのではないかと考えることがあります。

 

波動のエネルギー、歌は、声帯から出た音を共鳴させていくわけです。

音の波です。宇宙空間、体を取り巻く大気、そのようなものが自分の体を一度通って、より集約したパワーとして出ていきます。

それは「気」に相通じるものといえましょう。

リピート(繰り返し)の大切さ

 

 何度も繰り返すことによって、体は一つずつ、ものごとを習得していきます。

自らが感じて得ていく、自分が表現したものを何度も吟味して仕上げていく、

まさに職人芸の世界なのです。

 

 上っつらだけでは、しっかりと人の心を引きつけておくことはできません。

自ら感じとる力が大切です。

そのなかから、本当の感性が磨かれてきます。

 

プロで長く続けている人とは、この飽くなきリピートの価値を知っている人です。

リピートによってしか、ものごとには価値がついていかないのです。

 

 トレーニングも与えられているものだけでは、続きません。

リピートしていくのに耐える価値あるものを

常にクリエイティブに選び抜き、創り出していかなければいけないのです。

それを感じられるかどうかが、才能や努力だと考えます。

 

本(マニュアル)とトレーニング

 

 マニュアルはあくまでマニュアルです。

それをいくら使っても、実践力がなければ何も身につかないのです。

 

 それでも、私が本にまとめているのは、少しでも早くあたりまえのことに気づき、より高いところに目標をおいて欲しいからです。

それでこそ、トレーニングの成果が導き出されるからです。

 

ことばで表されたことは、まとめ、整理し、反省するための、材料、叩き台として、都合がよいからです。

 体に身につくのは時間がかかるのです。

それを自分でしっかりと知り、チェックポイントを判断して探求していくことです。

 

一つずつ、問題を見つけ、突っ込み、苦労して、そこに意味を見つけ、

そして、自分なりの答えを出し、提示する、これしかないのです。

答えは自分の中にある

 

よりよい自分を創っていくこと。

 

 アーティストの世界に正解はありません。予め定められた答えではなく、自分が自分に課した問い、自分で発見した問い、自分でつくり出した問いに対して、答えを追究していくのです。

ですから、自分のすべきことをみつけて行うことです。

 

 他の人の答えを追いかけている人が、大勢います。

自分は才能があるとかアーティストとしてやっていけるかなどを

他の人に聞いても仕方がないのです。

 

その答えは、当人のなかにあるのです。