声、語り、歌、ヴォイストレーニング1日1話 -4ページ目

声、語り、歌、ヴォイストレーニング1日1話

歌手、声優、俳優、芸人、ビジネス、一般、声に関心のある人に。
プロ、トレーナーも含め、トップレベルのヴォイトレ論を展開します。

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◯音のバラツキを処理する力をつけるトレーニング

 

 

 ことばで「ドドド」と言うのと、音のドを三つ並べて、

音符通りに「ドドド」と言うのは、エネルギーが違います。

イメージの違いもあって、音(メロディ)がつくと

急にヴォリューム感がなくなる人が多いのです。

本当は音のつく方が体の力が必要とされるのです。

 

これが一音ずつ少し離れる、つまり一音が伸びると、

さらにパワーを要します。まして音が上がるとなおさらです。

本当に力があれば、そこに音色の違いを生じずに解決できるのです。

 

ですから、課題をこなしつつ、力をつけることをめざすのが正攻法です。

それによって、長短、高低、強弱、つまりメロディ、

リズムが処理しやすくなります。

メロディやリズムのトレーニングとしてでなく、

声をよりパワーアップさせることで克服していくのです。

 

※現場では、メロディ、リズム、ことばのトレーニングは、

それぞれの調整をメインとして、声のパワーを無視して進められているのが大半です。

 

 

[音のバラツキを処理する力をつけるトレーニング]

 

 ドドド ドド♯レ ドレミ ミレドのメロディで

次のことばを処理してみましょう。

 キーを半音ずつ上げ下げしてみてください。

 

1)ハイ ハイ ハイ

2)ラララ

3)あおい

4)あなた

5)なみだ

◯ためとフレージングをつけるトレーニング

 

 一つのフレーズで、4つぐらいのことばでも続けたときに、

そこでヴォリュームをしっかりと保ち、

メリハリを聞かせられる人はあまりいません。

 

大体、同じようなヴォリュームで4つのことばが並ぶか、

それをできずに、後半はヴォリュームさえ保てなくなることが多いようです。

こういうときは、

高い音になるところで大きなフレーズをつくり、

流れに巻き込んでいくのです。

 

たとえ、 そのまま、 とおく、 はなれても

ラドシ、 ドドシシ、 シレド、 ラドレドド(ドレは高音)

 

◯ことばとメロディのトレーニング

 

 詞を暗記して、録音してチェックしましょう。

情感を入れて歌ってみましょう。

(-1~-3は、それぞれ、1番~3番の歌詞です)

 

1)  (よあけの)

2)   よあけのうたよ

3)  (わたしの)

4)   わたしのこころに

 

5) -1 きのうのかなしみ

   -2 あふれるおもいを

   -3 ちいさなしあわせ

 

6) -1 ながしておくれよ

   -2 わかっておくれよ

   -3 まもっておくれよ

 

7)   5)+ 6)

 

8) -1 わかいちからを

   -2 おおきなのぞみを

   -3 おもいださせる

 

9) -1 みたしておくれよ

   -2 だかせておくれよ

   -3 ふるさとのそら

 

10)   8)+ 9) 

 

(「夜明けの歌」岩谷時子作詞)

 

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○中音域の完成後に高音をのせる

 

一番高い音を出して、その音から上ばかりを出そうとがんばっている人が少なくありません。その場合、よほど気をつけなくては逆効果となってしまいます。

まず、出している一番高い音が喉をつめずに楽にひびいているかをチェックすることです。

ほとんどが力まかせに喉声かあてただけの声になっています。

そうでなければ、胸に支えのない浮き足だった芯のない声を出しているかです。声の力を抜くことで、即成栽培したものを完成した声と思っている人も多いのですが、そういうことなら、誰でもすぐに、それっぽくはできます。しかし、これではカラオケ、エコー頼りの普通の人の声から抜けられません。

きちんとした中音域の声の上にしか、迫力ある高音(中高音)はのりません。高音をより伸ばすためには、この中音域を充分に完成させなくてはいけないのです。

そこで本当にプロのように表現力をもてたなら、おのずと先へ進むことになるでしょう(ハイトーン、裏声、ファルセットは別です。)。

 

高い音をとるためだけに、鼻に浮かせたような弱々しい声や力だけでもっていった雑な声が、どうして歌に使えるでしょうか。

とはいえ、現実には、そういう軽く細い声で共鳴がなくても、音響技術に頼って人にみせられるプロやトレーナーはいます。しかし、その方が、生来の声の質から問われ、先の可能性としては難しいことを知ってください。何とか音に届くようにはなっても、それを使いこなすのも、それで認められるのも、相当難しいことだからです。

いつも考えて欲しいのは、あなたにとってどうかということです。そして、トレーニングによって変えられるところに絞り込むということです。

高音、高音と、音域を広げたいのはわかります。しかし、へたに発声のくせを、無理な音域でつけていくと、長年やっていれば声になってくるはずの中低音域の声までも荒れていくなら、大して変わりません。

それで自分の才能のなさと決めつける結果となってしまうのは、あまりにももったいないことです。

ピッチ(音高)だけに正しく届かせている芯のない声は、ひびいても弱々しく、ことばとして歌うにはパワーに欠けます。細くとも芯のしっかりした発声が基本だということを、忘れないでください。

◯スタッカートのトレーニング

 

 ことばを言い切るのに、のどで切るのでなく、

お腹からの息で切るようにしましょう。

口先でどんなに早く言い切っても、

最後まで息と体がついていなくてはいけないのです。

慣れてくるとしぜんと体が動き、意識しなくてもそうなります。

深く切ると共鳴は顔(マスク)や胸に残るのです。

 

最初は、声と息と体との結びつきを意識して、

体と息を大きめに使うように心がけてください。

 

 

[スタッカートのトレーニング]

 

 ことばは、口先で切っていても、息はつながっています。

スタッカートをことばで切れても、体自体はリズミカルにその動きを止めてはいけません。

フレージングとポジションは定まっています。

 

1)ハッハッハッハッハッ(ドドドドド)

2)ハッハッハッハッハッ(ドレミレド)

3)ハッハッハッハッハッ(ドシラシド)

4)ラッラッラッラッラッ(ミレドレミ)

5)アッエッイッオッウッ(ドドドドド)