○声楽っぽい発声を誤って使わないこと
頭部共鳴を学ぶ日本人のほとんどが、
地声でしっかりした声を身につけるのをなおざりにしています。
そのため、人並みの声も出ないうちに、
いかにも口先でつくったような発声をつくりあげてしまいます。
頭部共鳴が身につかないでいるのに、
うまく響いていると思っている人も案外と多いようです。
その音には届いているものの、喉を閉めたり、
ひびきだけに抜いているため、腹式呼吸も活かせず、
声を高度にコントロールできません。
歌の表現にも発声からの限界が生じてきます。
根っこのない響きだからです。
1.ロングトーンをキープできない(「声の芯」をつかんでキープできない)
2.メリハリ、シャウトができない(声を練り込んだり、放したり、戻したり、自由に扱えない)
3.鋭い語頭の入り方、やわらかい語尾処理ができない
こういう声を出している人は、声楽をやってきた人や合唱団出身者などにも多いです。
そういう人は、自分の声は、ポップスに向かないというように思っているようですが、
そんなに応用できない発声などというのでは、何にも通じません。
録音して比べてみてください。基本的なことができている人は、
何でもそれなりにこなせるのです。
発声は、根本ではジャンルを問わず同じだと私は思っています。