基本と応用
ヴォーカルにとっての基本は、声です。それに対して、応用は歌、そしてステージです。声にも、声をしっかりと出していくという基本と、それで表現していくという応用があります。
ヴォイトレの段階は、考え方によって、どのようにでも分けられます。忘れてはいけないのは、基本にたどりつき、基本に深く入っていくことです。そこから応用できる範囲が広がっていくことになります。
簡単なことに思われる基本を、しっかりと人の何倍もやって、何倍も厳しくマスターすることができて、初めて人並み以上に応用できる力がついてくるのです。
最初からステージや歌ばかりやっている人は、いろいろと応用ができているように思えます。しかし、器用さだけでは、やがては行き詰まることが多いものです。そういう人を見ると、早く脚光を浴びたために、基本の力を身につけられる時間がとれないで、もっと伸びたはずの才能を活かせないで終わる、もったいなく思います。
そこでも本能的に基本をつかめ、それを固めていく人もいるようです。さらなる応用を必要とするために、基本の大切さが、体としてわかり、実践になっている場合ですが、日本では、なかなか難しいのが現状です。
トレーニングは、応用よりも基本を固めることをめざします。基本の方が根本的に大切なことをより深く突き詰めていきやすいからです。
応用というのは、いろいろな形があり、判断基準が定まりにくいので、なかなか身につきません。しかし、基本の足らなさを知るのに必要です。
最初に基本ありき、歌やステージの構成をイメージします。本当にうまくなりたいのでしたら、トレーニングは、ステージのことよりも声やその使い方からシンプルに始めるべきなのです。そs、そのプロセスで応用と行き来することです。