ことばから「ラ」にすること
発声のトレーニングによく使われている「ラ」は、日本人にとっては難しい音だと思います。「ラ」のスキャットで歌えれば一人前といってもよいでしょう。RAでもLAでもない「ラ」は、浅く薄っぺらく、のど声にもなりやすいので、なかなか音楽的に聞こえにくいのです。つまり、日本語の曖昧、かつ浅い「ア」の発声の問題でもあります。
ですから、初心者が「ラーラー」と「ラ」で発声をつくっていく方法は、あまり効果的でないと思います。表面的に流れてしまいがちになるのです。
そのままに、「アオイ」や「ハイ」と深めにことばで音をとって、そこから「ラララ」と繰り返す方が効果的です。
「ハイ、ラララ」は、私の基本メニューの一つです。最初は、「ラーララララ」と歌っても、ヴォリューム感はなかなか出ないようです。しかし、この「ラ」一音で相手に対して表現をすることを求めたいのです。少なくとも「ラララ…」で歌う曲というのもあるのですから、実力を試すのによい課題です。
(rf「さよならは、愛のことばさ」)
1)ラーラララ ラララ、ラララ、ラーララ、ラララ、ラーララー
2)アオイアーアオイアオイアオイアオイーアオイアオム
「ラ」よりも「アオイ」で歌った方がメリハリもヴォリュームもつきやすい人は、ことばから「ラ」に変えていきましょう。