ナチュラルな声にする
くせがとれると、しっかりと胸について落ち着いた声となり、相応に力が出てきます。
誰が聞いてもどこを聞いてもプロらしい声で、安心感と居心地のよさを感じとれる声が理想的です。太く、パワーがあって、ソフトで人のハートに飛び込んでくるような声です。切れとコク、柔らかさが共に備わった声です。
これがしっかりと確立したら、体を自由にしてやります。このときに元に戻るようなら、再びトレーニングの必要があります。
しっかりした深い声は、腰のあたりで支えられます。上半身がとてもリラックスしてくるようになり、頭部へうまくひびくようになります。このときのひびきはくせではありません。その人独自の顔つき、骨相、筋肉の強さなど、あらゆる条件が重なってできた、その人の本当の声なのです。
声を100%使いこなしてから先にというのでなく、現実的には、少しでも早く先のトレーニングの感じというのをつかんでおきましょう。基本の上の応用にしか、なかなか人を感動させるような表現にならないのです。
基本と応用、その一方だけではなく、バランスがよいことが大切です。プロセスでは相互が独立したひびきであり、声の中心はその中間でより深く保たれるようにイメージしてみてください。
[ナチュラルなヴォイスにする]
前屈して、声を「ハイ」と出してみます。そのときに、ひびきが顔や首の方へいかず、胸の中心で捉えられるようにしてください。
ときどき、両手で肋骨のまわり、腰、胸部をさわり、ひびきをチェックするとよいでしょう。首の周辺、特にのど周りはひびかない方がよいです。少しずつ、肋骨のまわり、腰の方がひびくようになってきます。骨盤や尾てい骨までひびけば、相当のものです。
※トレーニングで使う声の高さは、自分が最も出しやすいと思っている声より、やや低く、話し声より、やや高くといったくらいです。男性なら、低い方のドレミ、女性ならラシドくらいでしょう。
ひびきを確認するために手をあてるとわかりやすいのですが、肩が上がりやすいので注意しましょう。肩が上がるのはよくありません。たまにチェックするくらいにして、両手は力を抜いてダラリと下げておく方がよいでしょう。