話している声とことばに関心を | 声、語り、歌、ヴォイストレーニング1日1話

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○話している声とことばに関心を

 

ことばを話すときと歌うときと、別人のように声を変える人がいます。歌っているときよりもことばを話すときのほうが、よい発声をしている人は、たくさんいます。一般的には、話し声の方が、ずっと個性的で表現力をもっている人の方が多いようです。

 

歌は、ことばや叫びの中から生まれてきたものです。

「おはようございます」とか「はい」という声を、そのまま使うべきだと、私は考えます。

普段の声がしっかりと伝える声になっていないのなら、先にその声を鍛えるべきだと思っています。そもそも、ことばで言えば伝わるものならば、無理に歌にする必要もないのです。

 

歌には、ある程度、声域が必要となりますから、どうしても、話し声のままではできないところもでてきます。そのため、高音を出すときの無理な発声が、そのまま中低音域にも降りて、全ての声域にわたって声になりにくいところで使うはめになっていることが少なくありません。

 

発声は、ひとつの線上に声をとっていきますから、高音で息が流れていないと低音でもそのまま、息が止まってしまうのです。しかし、しっかりした声でことばを発せられなければ、歌うときに、高いレベルで声にメリハリをつけたり、感情を伝えたりすることはできません。変化をつけられないのです。

まず、話している声をトレーニングすることです。普通に話しているように歌えることが理想です。

 

話しているところで歌うということは、お腹から息の流れを媒介として声に伝え、声を動かすということです。その結果、個性的な音色と心地よいひびきとなるのです。

 

ことばにも高低や強弱があります。その高低や強弱の幅を広げていくのだと思ってください。

ことばの練習をしてみましょう。もちろん、高くて出しにくいところは、お腹で支えるか、もう少し待つことを忘れないでください。

 

日本では生まれつき高い声を出せる人は、話し声を深めていないので、声としては貧弱です。日常の声が生声の人ほど、高い域で発声をかえて歌おうとしているように思われます。それで通じる人はよいですが、あなたがそういうタイプでなければ、参考にはなりにくいでしょう。