◯声にこだわるプロセスを
クラシックは理想とする大歌手の歌や声を手本に鍛錬していくのですが、
ポピュラーには見本がありません。
お手本は、教わる人自身の中にある最高のものです。
その個性を殺しては成り立ちません。
オペラの歌い手、あるいはポピュラーでジャズ、ソウル、ロックでも、
一流のヴォーカリストは、体から泉のように声がとどこおりなく
あふれ出てくるかのようです。
そのくらい声が自由に出れば、きっと歌うのに苦労しないでしょうし、
歌っていても気持ちよいと思いませんか。
優雅に泳ぐ白鳥も、その水面下では足を動かしています。
カーンと軽々と白球をスタンドに打ち込む強打者も、
それこそ日夜の地道なトレーニングによって、
筋力で技術を支えているのです。
ヴォーカリストも同じです。誰よりも多くの努力をした結果が、
すばらしいステージとなり、人々の賞賛に値するものになるのです。
努力をしなくてはいけないことは同じことです。
トレーニングをしないで人並み以上にはなれないのです。
そのトレーニングのプロセスを、個々に明らかにしていくことが、
私のヴォイストレーニングの目的です。