◯最下音で行うメリット
中音域や低音域のところでは、誰でも安易に声になるため、しっかりと身体を使って声を出している人は、あまりいません。身体を使わなくても、声が出てしまうから、身体が伴わないのです。これを意図的に身体に結びつけるのです。その声が表現に耐えるようにしていくためです。それが声量・声域に本当に活かすことになります。
高いところでは、喉に力が入って、身体を充分に使い切れない人や、変にひびかせて、音にだけ当てている人がほとんどです。声をしっかりと使う必要がないとしたら、身体を使うことは、いつまでも覚えられません。これで3年先から伸びなくなる人が少なくないのです。
低いところでは、声が出なくなって、深い息だけになってもかまいません。低いところでは押しつけて、喉に負担をかけてしまわないように注意することです。きちんとピッチ(音高)をとろうとすると、音が低くなるほど、喉がなってきます。喉で声はつくらないようにして、深い息でできるところまで身体の力を利用してみてください。
つまり、低いところも深い息を充分、流せる域として身体を使って広げておくのです。そのなかで声となってきたところだけを表現力を伴う声域として認めましょう。
トレーニングは、今日できるところのチェックではありません。
そこで可能性を区切ってしまうのではなく、後できちんと声が出るように、今日できないところに可能性を広げておくためにするのです。