○言語として、身体とつながる声をもつ
車のシャーシーとタイヤのように、身体と息と声が結びついていると思ってください。
声を出そうとしたら、身体というエンジンからGOサインがでて、
それが息というシャーシーを伝わって、声という四輪が駆動するようなイメージです。
練り歯磨きのチューブは、下から絞った分、その口から歯磨き粉が出ます。
そのように、身体を使った分だけ声に出ることが、大切なのです。
それには、身体を使わないのにひびいてしまう声などを一時、封じる必要があります。
ただ共鳴させればよいわけではありません。
声が口先でしか出ないと感じている人は、喉から下の方、
お腹まで、木の根っ子のように息の流れる道筋、
身体の力の通り道を広げていくことをイメージしてみてください。
言語レベルでの声づくりのトレーニングでも、
子音、音色、強アクセントを中心とした、発声の感覚の切り替えが必要なのです。
多くの人は、身体を使っても、その分、そのまま声になりません。
そこで急いでうわっぱな発声(特に共鳴)を覚えてしまうと、
身体も使わない声になります。
これは、ひびきすぎたり、かすれたりして、繊細なコントロールができません。
使いにくいのです。
ハードな使用に耐えず、リヴァーブ頼りになります。
しかし、歌での発声コントロールがしやすいため、
多くの人がそれを、上達と思ってしまうのです。
[メトロノームを使った息のトレーニング]
メトロノームを60でセットして、それに合わせて息を吐いてください。
ピッチ(音高)にとらわれず、喉を開いて声を出すためです。
お腹の底から息を出すイメージでやってください。
このとき、喉の奥を開いて、力が入らないようにしてください。
口はあまり開かず、動かさなくて構いません。
自分の呼吸ペースにあわせて、テンポは変えてもよいでしょう。