◯なぜ、腹式呼吸を中心に使うのか
声は息を吐いたときに出ます。
ですから、せりふや歌のように、声を急に出したり長く伸ばしたりするには、その呼気を自在にコントロールするのです。
そのためには、胸部よりも腹筋で横隔膜を動かすほうが、意識してコントロールしやすいからです。
せりふや歌は、瞬時に充分な吸気をしなくてはならないことが少なくありません。
発声では、息を長く保てなくてはなりません。
喉にあまり影響を与えず、腹筋や背筋を主として使う腹式呼吸であればこそ、このようなことが可能なのです。
胸式呼吸では、力を入れると、直接、発声に関わる咽頭部分に無理な緊張を強いたり、胸部が動きます。うまくコントロールできない分、発声には不向きなのです。
(とはいえ、この2つの呼吸は連動しており、どちらかだけということではありません。腹式呼吸が充分でないから、トレーニングするのです)