実力のある人なら、たとえ音程やリズムが少々くずれても気づかせません。
もとより、歌がバンドと合わなくても、
バンドのミスだと思わせてしまうくらいの力がなくては、
ヴォーカルのステージはつとまらないのです。
音程やリズムを意識しなくても狂いを生じないのは、
身体から歌っているからです。
身体が覚え込んだ声の中で、しぜんと処理できているからです。
声を完全にコントロールしているからです。
それができる強い身体をもっていることにつきるのです。
弱い人は、それらも身体に覚えさせる訓練をしていくこと、
入れ込むことです。
あとは、意識しなくとも、
音感、リズム感さえあれば、なんとかなります。
音程やリズムがとれるのは、あたりまえです。
それをプロ・レベルで行いたければ、
プロとしての身体づくりが必要だということです。
目先での音程やリズムの修正では完全にはなりません。
弱点として残ってしまいます。
練習はこなすためではなく、そこでつくり出すために、
蓄積のために行なうのです。
音程やリズムは、表現を支える基本です。
それだけが、独自にあるものではないのです。
発声と共に身体で覚えていくことです。