歌いながら声はつくれない | 声、語り、歌、ヴォイストレーニング1日1話

声、語り、歌、ヴォイストレーニング1日1話

歌手、声優、俳優、芸人、ビジネス、一般、声に関心のある人に。
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自分の感覚に正直に歌をこなしていくのはよいのですが、

単に間違いなく歌うのでは、感動を与えられません。

 

発声を学んだ人が歌っているのを聞くと、

発声や楽譜に正確なところが聞こえてくるような歌、

聞いた通りにまねているだけの歌が多いように思います。

 

一方で、音程やリズムのよさや英語の発音のよさが聞こえてくるような歌、

これらも同様に、声が充分でないことを現しています。

 

海外の歌と、大きく違うのは、パワーに裏付けられた自己表現力の不足です。

日本人の場合は、歌で表現しているのでなく、

歌に歌わされているように思えるのです。

声の魅力、パワーに関しては、絶望的なほどの違いを感じます。

 

そこで思い当たったのは、次のようなことでした。

日本人というのは、歌うときに声も一緒につくる努力をしている、

大きく出そうとしたり、高いところに届かせたり響かせたり、裏声にしたり、

技術を使ったりしているのではないか、

 

多くの人が、いつも本番で声がきちんと出るかを心配しています。

あたかも練習の延長をステージでやっているかのごとくです。