過去問分析【令和5年(後期)教育原理 問10】「令和の日本型学校教育」の構築を目指して | 保育士試験:社会福祉・教育原理等攻略講座

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<過去問分析 教育原理(「令和の日本型学校教育」の構築を目指して)>

【令和5年(後期)教育原理 問10】

次の文は、中央教育審議会答申「「令和の日本型学校教育」の構築を目指して~全ての子供たちの可能性を引き出す、個別最適な学びと、協働的な学びの実現~」(令和3年1月)に関する記述である。適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

A 学校教育には、一人一人の児童生徒が、自分のよさや可能性を認識するとともに、あらゆる他者を価値のある存在として尊重し、多様な人々と協働しながら様々な社会的変化を乗り越え、豊かな人生を切り拓き、持続可能な社会の創り手となることができるよう、その資質・能力を育成することが求められている。

B 次代を切り拓く子供たちに求められる資質・能力として、文章の意味を正確に理解する読解力、教科等固有の見方・考え方を働かせて自分の頭で考えて表現する力、対話や協働を通じて知識やアイディアを共有し新しい解や納得解を生み出す力などが挙げられている。

C 「みんなと同じことができる」「言われたことを言われたとおりにできる」というように、均質な労働者の育成が現代社会の要請として学校教育に求められている。

D 「予測困難な時代」の中、目の前の事象から解決すべき課題を見いだし、主体的に考え、多様な立場の者が協働的に議論し、納得解を生み出すなどの資質・能力が求められている。

(組み合わせ)

  A B C D
1 ○ ○ ○ ×
2 ○ ○ × ○
3 ○ × ○ ○
4 × ○ ○ ×
5 × × ○ ×


【解答・解説】

(参照)
中央教育審議会答申「「令和の日本型学校教育」の構築を目指して~全ての子供たちの可能性を引き出す、個別最適な学びと、協働的な学びの実現~」(令和3年1月)

(※ 以下「答申」といいます。)

A 適切
答申p3より
「・・・我が国の学校教育には、一人一人の児童生徒が、自分のよさや可能性を認識するとともに、あらゆる他者を価値のある存在として尊重し、多様な人々と協働しながら様々な社会的変化を乗り越え、豊かな人生を切り拓き、持続可能な社会の創り手となることができるよう、その資質・能力を育成することが求められている。」

B 適切
答申p3より
「・・・AIの専門家も交えて議論を行った結果、次代を切り拓く子供たちに求められる資質・能力としては、文章の意味を正確に理解する読解力、教科等固有の見方・考え方を働かせて自分の頭で考えて表現する力、対話や協働を通じて知識やアイディアを共有し新しい解や納得解を生み出す力などが挙げられた。」

C 不適切
答申p8より
「・・・我が国の経済発展を支えるために、「みんなと同じことができる」「言われたことを言われたとおりにできる」上質で均質な労働者の育成が高度経済成長期までの社会の要請として学校教育に求められてきた中で、「正解(知識)の暗記」の比重が大きくなり、「自ら課題を見つけ、それを解決する力」を育成するため、他者と協働し、自ら考え抜く学びが十分なされていないのではないかという指摘もある。」

※ この答申の記述では「「みんなと同じことができる」「言われたことを言われたとおりにできる」というように、均質な労働者の育成が現代社会の要請として学校教育に求められている」ことが直接に否定されているわけではありませんが、そのような社会の要請が「高度経済成長期までの」ものとされており、現代社会の要請ではないことが暗に示されています。
そして、答申の副題に「個別最適な学び」と記されていること、答申のこの後の記述全体から考えて、「みんなと同じことができる」「言われたことを言われたとおりにできる」というようなことは、現代社会の要請として学校教育に求められていないことは明らかです。

D 適切
答申p4より
「予測困難な時代」であり、新型コロナウイルス感染症により一層先行き不透明となる中、私たち一人一人、そして社会全体が、答えのない問いにどう立ち向かうのかが問われている。目の前の事象から解決すべき課題を見いだし、主体的に考え、多様な立場の者が協働的に議論し、納得解を生み出すことなど、正に新学習指導要領で育成を目指す資質・能力が一層強く求められていると言えよう。

以上より、正解は2となります。


【コメント】

本問の答申は、直近の中央教育審議会答申としては最重要であり、出題は予測されていました。
ただ、答申全体で92ページあり、予測されていても、準備は難しかったと思います。

もっとも、p3・4・8という、答申のだいぶ前のほうから出題されており、良心的な問題だったと思います。

この手の長文の資料からの問題についての、準備していない場合の実際の対応としては、

「読んでいて、違和感(引っ掛かり)がなければ、基本的には「適切」と判断すること」

が大切です。

そして、違和感(引っ掛かり)のある記述があれば「不適切」の推定を働かせるわけですが、最終的な判断は、「組み合わせ」との関係によることになります。

本問の場合、A・Dには違和感(引っ掛かり)は感じないので、「適切」と判断することになります。
そうすると、正解の「組み合わせ」は2か3に絞られることになり、BとCのどちらが「不適切」かを考えます。

Bの「文章の意味を正確に理解する読解力、教科等固有の見方・考え方を働かせて」という記述には、かなりの違和感(引っ掛かり)を感じるのではないでしょうか。

しかし、Cが、解説で述べたとおり、明らかに「不適切」なので、結果的にBは「適切」と判断することになり、若干不安はあっても、正解肢としては2を選ぶことになります。



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