また出る過去問分析 社会福祉(社会保障給付費) | 保育士試験:社会福祉・教育原理等攻略講座

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<また出る過去問分析 社会福祉(社会保障給付費)>

【令和3年(後期)社会福祉 問7】(令和5年(前期)向けに年度を改変)

次の文のうち、「令和元(2019)年度社会保障費用統計(概要)」(国立社会保障・人口問題研究所)に関する記述として、適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

A 社会保障給付費の総額は10年前と比較して増加している。

B 社会保障給付費を「医療」「年金」「福祉その他」の3つの部門に分けた場合、全体に占める割合が一番多いのは「医療」である。

C 社会保障財源を「社会保険料」「公費負担」「他の収入」の3つの項目に分けた場合、「社会保険料」が全体の8割以上を占める。

D 社会保障給付費のうち、給付された年金の総額は10年前と比較して減少している。

(組み合わせ)
  A B C D
1 ○ ○ × ×
2 ○ × × ×
3 × ○ ○ ×
4 × × ○ ○
5 × × × ○


【解答・解説】

(参考)「令和元(2019)年度社会保障費用統計(概要)」

A 適切
平成21(2009)年度の社会保障給付費の総額が約100兆円、令和元(2019)年度の社会保障給付費の総額が約124兆円なので、社会保障給付費の総額は10年前と比較して増加していることになります。

B 不適切
2019(令和元)年度の社会保障給付費の内訳は、「年金」44.7%、「医療」32.9%、「福祉その他」22.4%となっており、3つの部門のうち全体に占める割合が一番多いのは「年金」です。

C 不適切
2019(令和元)年度の社会保障財源(総額約132兆円)は、「社会保険料」(55.9%)、「公費負担」(39.2%)、「他の収入」(4.9%)となっています。

D 不適切
平成21(2009)年度の社会保障給付費のうち、給付された年金の総額は約52兆円、令和元(2019)年度の社会保障給付費のうち、給付された年金の総額は約55兆円なので、給付された年金の総額は10年前と比較して増加していることになります。

以上より、正解は2となります。


【コメント】

「社会保障費用統計」(国立社会保障・人口問題研究所)における社会保障費用には、ILO(国際労働機関)基準の「社会保障給付費」と、OECD(経済協力開発機構)基準の「社会支出」があります。

国際比較の観点からは、OECD(経済協力開発機構)基準の「社会支出」のほうが重要な指標となると考えられていますが、これまで保育士試験では、もっぱら「社会保障給付費」のほうが出題されてきています。

そして、今回取り上げた令和3年(後期)の「社会福祉」問7でも「社会保障給付費」が出題されており、また、令和3年度の社会福祉士国家試験および精神福祉士国家試験の共通科目「社会保障」でも「社会保障給付費」が出題されていることから、今後の保育士試験等でも、これまでどおり「社会保障給付費」のほうが出題されていくものと考えられます

なお、社会福祉財政に関する重要な指標としては、「社会保障関係費」というものもあります。
これは、国の一般会計(予算)における年金給付費、医療給付費、介護給付費、少子化対策費、生活扶助等社会福祉費、保健衛生対策費および雇用労災対策費をいいます。

令和5年(前期)の保育士試験で出題の対象となる令和4(2022)年度の「社会保障関係費」(政府案:約36兆円)では、年金給付費(約12.8兆円)と医療給付費(約12.1兆円)の合計額の占める割合が約7割となっています。

「社会保障給付費」と「社会保障関係費」の関係・違いについては、下記の過去記事をご参照ください。

過去記事
<社会保障関係費と社会保障給付費の違い>




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