【令和4年(前期)教育原理 問6】
次の文は、「小学校学習指導要領」(平成29年告示)に示された「教育課程の編成」の一部である。( A )~( C )にあてはまる語句を【語群】から選択した場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
低学年における教育全体において、例えば( A )において育成する自立し生活を豊かにしていくための資質・能力が、他教科等の学習においても生かされるようにするなど、教科等間の関連を積極的に図り、( B )及び中学年以降の教育との円滑な接続が図られるよう工夫すること。特に、小学校入学当初においては、幼児期において自発的な活動としての( C )を通して育まれてきたことが、各教科等における学習に円滑に接続されるよう、( A )を中心に、合科的・関連的な指導や弾力的な時間割の設定など、指導の工夫や指導計画の作成を行うこと。
【語群】
ア 総合的な学習の時間 イ 生活科 ウ 幼児期の教育
エ スタートプログラム オ 自然体験 カ 遊び
(組み合わせ)
A B C
1 ア ウ オ
2 ア ウ カ
3 ア エ オ
4 イ ウ カ
5 イ エ カ
【解答・解説】
( A )について
小学校低学年(第1学年・第2学年)では、「総合的な学習の時間」の授業はありません(「学校教育法施行規則 別表第一」)。
ですので、低学年(第1学年・第2学年)の教科について述べている( A )にはア「総合的な学習の時間」は入らず、( A )はイ「生活科」に確定します。
なお、「総合的な学習の時間」は「教科」でもありません。
( B )について
「( B )及び中学年以降の教育との円滑な接続」という文脈から、( B )には、小学校低学年より前の時期の教育が入ることになるので、( B )はウ「幼児期の教育」に確定します。
よって、正解は4となります。
なお、( B )に関し、「スタートプログラム」は、幼稚園と小学校の教育の円滑な接続を図るために、小学校のスタート段階で行われる課程(スタートカリキュラム)を意味するものと考えられますが、これ自体がすでに小学校低学年の段階に属しているので、「スタートプログラム」と小学校低学年の段階の「接続」を観念することはできません。
( C )に関しては、「保育所保育指針」や「幼稚園教育要領」などの学習を積み重ねていれば、自然と「遊び」を選べるのではないかと思います。
【検討】
「小学校学習指導要領」の該当箇所を覚えているという方はいなかったのではないでしょうか。
ただ、( A )にはアかイ、( B )にはウかエ、( C )にはオかカしか入らず、( A )でイを選べれば、( C )は自動的にカに確定するので、一定の割合の正答率にはなったのではないかと思われます。
( A )については、その後に「生活」という言葉あったにしても、現在の「教育原理」という科目の雰囲気から、「総合的な学習の時間」を選んでしまった方も多かったのではないでしょうか。
いずれしても、準備が難しい問題、確実に得点することは難しい問題だったと思います。
今後、同じような問題が出題された場合に備えて、「小学校学習指導要領」における各教科等の構造だけでも押さえておきましょう。
【教科】(10)
国語、社会、算数、理科、生活、音楽、図画工作、家庭、体育、外国語
【教科以外】(4)
特別の教科・道徳、外国語活動、総合的な学習の時間、特別活動
※「生活」は低学年のみ、「理科」「社会」は中学年・高学年のみ
※「家庭」は高学年のみ
※「外国語活動」は中学年のみ、「外国語」は高学年のみ
※「総合的な学習の時間」は、中学年・高学年のみ
★ 保育士試験科目別対策教材の決定版!「保育士試験科目別リベンジセット」等販売中!
【ふくしかくネット公式ホームページ】
【Amazon(本-ふくしかくネット)】
【ふくしかくストア(Yahoo!ショッピング)】
にほんブログ村