「社会福祉」・「子ども家庭福祉」に続き、「教育原理」について、優先学習事項(出題予想事項)をあげてみたいと思います。
大した「出題予想」ではありません。
「頻出・重要・基本事項」については、ヤマを張らずに、「覚える」姿勢で臨む必要があります。
「ニコイチ」科目ということで、もともと対応が難しいのですが、ここ何回かの筆記試験では、「社会的養護」に比べて、「教育原理」のほうが難しい状況が続いています。
ただ、逆に、「ニコイチ」科目であるにも関わらず、対策について「社会福祉」ほどの悲鳴は聞こえてこない感じです。
「社会的養護」の易化に加えて、「教育原理」では「頻出・重要・基本事項」に関する問題が6問以上は出題されており、覚えるべき事項をしっかり押さえていれば、苦手意識を生じるも間もなく、「ニコイチ」に合格できているのかと思います。
ここ何回かの試験の問7~10あたりでは、少し古めで聞いたことのないような中央教育審議会答申からの出題が続いており、一度落とした場合には、非常に対策困難だというイメージを植え付けられてしまうのではないかと思われます。
しかし、そのような準備困難な問題は、準備が求められているわけではないと考えられます。
「教育原理」では、基本的法令・人物・歴史・用語に関する問題が多く、ともすると、単なる暗記科目になってしまいやすいため、意識的に、何問かは、覚えているかどうかではなく、背景的知識(保育士試験における常識的知識)を前提にして、現場で「考えて」解いて欲しいという問題を作成しているものと思われるからです。
したがって、準備困難な問題については、何とか準備しようと手を広げるのではなく、組み合わせや文脈などからよく考えれば解けるように作成されていると考えて、準備可能な問題を確実に取るために、今からでも、土台となる重要法令や重要人物をしっかり押さえ切る、妥協を捨ててしっかり覚える、という姿勢が大切になってきます。
【基本的法令問題について】
● 「教育基本法」
は、ほぼすべて(前文、1~17条)、できるだけ「覚える」ことが必要です。
続けて同じ条文が出題されることもあるので、ヤマは張らないほうがいいでしょう。
● 「学校教育法」
は重要条文(1条、11条、21~27条、72条、81条など)だけでいいと思います。
11条は懲戒、72条は特別支援学校ですね。
問1では、
● 「日本国憲法」26条
● 「児童の権利に関する条約」28条・29条
にも要注意です。
また、改訂版が施行されてから間もない
● 「幼稚園教育要領」
からの出題の可能性も非常に高いと思われます。
ただ、第1章だけでも内容量が多いので、「覚える」のは難しく、「目を通しておく」という姿勢になるかと思いますが、どうしても手がつかないという方は、テキストで抜粋されている部分(リベンジセットのポイント集ならp26・27)の抜粋部分だけでも読み込んでおきましょう。
【人物(業績)・歴史問題】
これについても、「教育基本法」と同様、ヤマは張らないほうがいいと思います。
過去に出題されたもの、お手持ちのテキストやリベンジセットのポイント集・予想問題集に載っている程度の重要人物と業績・キーワードはしっかり押さえましょう。
「私塾」などは、出題されるたびに「難しかった」という声を耳にしますが、一定の範囲のものしか出題されません。
空海や世阿弥、寺子屋などと同様に、過去に出題されたことのある事項は確実に押さえておきましょう。
「学制」や「教育令」、その他の歴史的事項も内容量は多くないので、「古い順に並べた場合」の問題には対応できる程度に押さえておいたほうがいいと思います。
「著者当て問題」については、著作を読んだことがあるかどうかを試すわけではなく、その著者に関するキーワードを押さえていれば対応できる問題がほとんどなので、通常の人物・業績問題と区別することなく、コメニウスやペスタロッチ、倉橋惣三などの超重要人物についてはやや手広く、キーワードや業績を押さえておくことで対応していけばいいと思います。
数年前の過去問で出題があるのに「盲点」となりそうな人物と代表的なキーワードを挙げておきます。
● ベル:助教法
● ヘルバルト:教育(訓育)的教授、4段階教授法、学習者の側からみた段階説
● コンドルセ:フランス革命期、近代公教育のパイオニア
● ヴィゴツキー:発達の最近接領域(ZPD)
● ハッチンス:『学習社会論(The Learning Society)』
● パーカースト:ドルトン・プラン(「自由」と「協同」を原理とする個別学習の方法)
● ウォッシュバーン:ウィネトカ・プラン(「一般共通科目」と「創造的集団活動」の組み合わせによる総合的な教育)」
(※ 上記2つは、主として、プラン名とその内容についての出題でした。)
● 石田梅岩:石問心学、『都鄙(とひ(とい))問答』
● 羽仁もと子:自由学園
● 鈴木三重吉:『赤い鳥』
【その他諸々について】
(1) 教育の実践等
「教育の実践」関係の抽象論としては、カリキュラム(教科・経験、「隠れた」など)と教育評価(絶対評価・相対評価など)は、出題サイクルに関わらず、基本的事項として、確実に押さえておきましょう。
(2) 用語
● IoT(あらゆるモノがインターネットにつながる仕組み)
● ICT(情報通信技術)
● ESD(持続可能な開発のための教育)
● キー・コンピテンシー(主要能力)
● 超スマート社会(Society 5.0:①狩猟社会、②農耕社会、③工業社会、④情報社会に続く人類史上5番目の新しい社会)
などの意味を問うような用語問題については、やはり全社協のテキストが出題の一つの基準となっていると思われますので、今からでも、全社協のテキストの巻末の「項目索引」に掲載されている語句で、「まったく知らない語句」がなくなるようにチェックしておけるといいでしょう。
(3) その他法令・資料問題
準備不能な資料等からの問題については、準備が求められているわけではないと考えられるので、何とか準備しようと手を広げる必要はありません。
準備不能な資料等からの問題を見たら、ひるむのではなく、「国語の問題が出た」と捉えて、考えすぎず、常識的判断で素直に解答すれば、正解に至るものです。
その一方で、客観的に重要と考えられる資料等については、できるだけしっかり押さえて、出題された場合は、確実な得点源とすることが大切です。
平成30年6月に閣議決定された「第3期教育振興基本計画」については、今後しばらくは、資料等の目玉になるものと考えられます。
● 「第3期教育振興基本計画」(文部科学省HP)
IoT、ICT、超スマート社会(Society 5.0)などの用語に注意しながら、できるだけ読んでおけるといいのですが、全文の量は「半端ない」ので、上記の文部科学省HPの「概要」か、「リベンジセット教育原理」のダイジェスト版の抜粋部分(p54~61)だけでも見ておけるといいでしょう。
その他では、
● 「体罰の禁止及び児童生徒理解に基づく指導の徹底について」
● 「いじめの防止等のための基本的な方針」(最終改定:平成29年3月14日)
あたりが出て来てもいいと思います。
(参考)
● 「「いじめの防止等のための基本的な方針」の改定及び「いじめの重大事態の調査に関するガイドライン」の策定について」(文部科学省HP)
比較的新しい法律では、
● 「義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律」
にざっと目を通しておけると安心だと思います。
これですべてではありませんが、最後の追い込み学習のメリハリづけの参考にしていただけると幸いです。
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