おはようございます
ママ獣医師の鈴木綾香です
みなさんにご心配おかけしました、私のものもらいの目も、ようやく沈静化してきました
もう夜中も膿が目からダラダラ出てくるもんだから目がカピカピになって
でも排膿できたからよかったです
こういう時、西洋のお薬はほんとに早く効きますね、、、
今回あまりの痛さと腫れとに、いつもは拒否している抗生剤も飲まざるを得ず、、、
しかし、使うべき時に使うときに使うと西洋のお薬はよく効きます。
裏では漢方や薬膳でのケアもしつつ、こうなった原因をしっかり受け止めます
(ほんとはもう勉強したくないんだけど、、、そんなわけにも行かないので、ほどほどにするようにします)
さて、西洋のお薬と言えば、、、
今の時期は、とても痙攣発作、てんかん発作が増える時期ですので、抗痙攣薬などを飲んでる子も多いと思います。
今年は、去年に比べると暖かくなるのが早かったせいか、2月に入ってから、バタバタと発作の子の診察が増えました
去年はGWあたりがピークだったんですが、今年は全体的にとても早いです。
昨日もそんなフレブルちゃんの往診へ。
私が行った時、こんな風に横たわってピクリとも動かず
フレブルちゃんとは思えないほどの寝姿で、何かおかしいと思いました
2月から発作が強く出て、MRIで脳腫瘍が見つかったそうです
左耳から血膿が出たり、左足に力が入らなくなったりで、そこも調べてもらったら、左耳奥にも腫瘍らしきものが見つかったそう。
さてこんなとき、私は前の西洋医学の病院にいたら何をしてたかというと、抗てんかん薬、脳圧降下剤、効かなくなってきたらステロイドや麻酔薬なども使ってとにかく『発作を止める』ことに躍起になってました
この子も例外なく、そんなお薬を出されてました。
結局、脳炎であっても脳腫瘍であっても、使うお薬が大して変わることはなく、とにかく『発作を止める』ということをやるのが、一般的な治療です。
では、今はどういう風に治療していくのかというと、、、
まず必ず『手足や体の温かさ、冷たさ』を確認します。
これまで見てきて、発作が起きるような子で上半身が熱くない子は全くいませんでした。
わたしが病院にいたときも、とにかくみんな熱があって、脇とかを保冷剤で冷やしたりもしてました。
これはポイントで、発作が起きるときは、必ず『上に熱が上がっている』のです。
なのでそれを止めるのではなく、ちゃんと体から発散させてあげないといけないのです。
抗てんかんにしてもステロイドにしても、熱を抑え込んでしまうので、体にどんどん熱が溜まってきます。
そうすると、ワンコたちはどうなると思いますか??
みなさんが、インフルエンザなどで高熱が出た時に、意識が朦朧としたり、ボーッとして何も手につかないなんてことないですか??
熱が上がると、頭もボーッとのぼせたようになるので、動物たちも同じようなことが起きます。
この子も、口周りや耳の中の赤み、そして頭の熱さが強かったです。
抗てんかん薬の量が多かった時、ボーッと一点を見つめたり、狭いところに入り込んだり、行動がおかしいことが多かったそうです。
これ、ほんとによく聞きます。
先日ご紹介したこのフレブルちゃんも同じような行動を取ってたと言われてました。
思い返してみると、私が前に見てた痙攣が続いてずっと注射などで抑えてた子たちは、最後飼い主さんのこともわからないような錯乱状態やボーッとした状態になる子たちが多かったように思います。
漢方ではこのような熱を抑え込むのではなく、ちゃんと体から出していけるものがたくさんあります。
このフレブルちゃんも漢方使って今2週間で、意識がはっきりしてきたと言われてました。
ドッグスキャンすると、すごく体が頑張りすぎてる状態が出てました
ドッグスキャンでは、麻酔をかけないで、このように脳の状態を見ることもできます。
前に病院で鍼をやってもらったときは、興奮しすぎて逆にぐったりしてしまったそうですが、おうちなので、とてもリラックスできたようです
終わった後は、最初のように横倒れることもなく、上半身を起こしてゆったり寝れてました
朝はグッタリしてご飯も食べず、心配で病院も行かれてたそうなんですが(特に何の異常も見つからず)、夜はクリクリのお目めでご飯を要求してきたそうです
カッチカチだった体がポヨンポヨンに柔らかくなったので、相当楽になったと思います
発作が起きるような子は、体がガッチガチの子が多いので、おうちでもできるようにマッサージもお教えしてます
ちゃんと熱が発散できる体にしてあげるといいですね
今日も午後は、てんかんの起きてる子の往診です
一頭でも多くの子が楽になりますように