ママ獣医師の鈴木綾香です
今週から、月火だけ専門学校での授業に復帰して、怒涛の毎日を送っております
今日は、小型犬に多い呼吸器の問題についてです。
このポメちゃん、普段からゼーゼーいうことが多かったそうで、ずっと病院では気管が悪いと言われていたそうです。
3月末に、壁に体をつけるような体勢でずっと座って寝れず、痛みがあるのだろうと鎮痛剤や気管支拡張剤などを出されたり、ひどいときにはチアノーゼ(酸素が取り込めなくて、舌が紫色になること)で酸素室も借りて入れられてたそう
そして、お伺いした初日のご様子がこちら
見えにくいですが、舌の色が紫色になるくらいまで、ヒューヒュー言ってました
西洋医学的には、気管虚脱とか口頭麻痺とかで、場合によっては手術が必要と言われたり、難病とも言われる状態ですが、実はこの状態の子たち、私のところによく往診依頼があります
実は、こういう子達の特徴は、体を触ってみると、カチカチに肩が凝っている子が多いのです
ワンコの肩こりについては、前にこちらで書いているので見て見てくださいね
また、東洋医学的に見ると、
瘀血(おけつ)
と言って、血がドロドロで流れが悪くなっている状態が見受けられました。
首や肩が凝っていると、気の巡りも悪くなり、それによって血の巡りも悪くなるんですね
こんな難病のような病気でも、実は意外と単純な問題が原因になっていることも多いのです。
そして、マッサージや指圧、温灸などを終えた後の動画がこちら
遠目からでも舌の色がピンクに改善しているのがわかるでしょうか
このあと、飼い主さんも温灸を買われて、毎日肩周りや腰を温めてもらい、筋肉が凝らないようにマッサージを続けてもらってます。
温灸すると、気持ち良さそうにするそうです
また、血流をよくして、瘀血を改善するような漢方も飲んでもらってるのですが、
最近は前のようにヒューヒュー言うことがほとんどなくなった
そうです
ひび割れがまだ少しあるので、あともう少しです
もちろん、このような場合、西洋医学的に手術をしたり、お薬が必要な場合もありますが、こんな方法を試してみるという手もあるかと思います。
西洋医学と東洋医学、どちらがいい悪いとかではなく、ワンコにとって負担のない方法で治療が出きたらいいなと思います