こんばんは
ママ獣医師の鈴木綾香です
世の中は三連休でしたね
今日は、大分に住むリンパ腫の猫ちゃんが、具合があまりよろしくないということだったので、急遽バスで行って来ました
横顔しか撮れなかったのですが、お顔の皮膚と鼻腔内にできたリンパ腫だそうです
抗がん剤は、体の負担も考えてやらないと決めた飼い主さん。
ステロイドについても、出されたけど、飲ませるべきか悩んでいらっしゃいました
ステロイドについては、話が長くなるので、またいつか書きたいと思いますが、私も勤務医時代は、リンパ腫で抗がん剤しないなら、ステロイドくらいしかないと思って、ガンガン使ってました…
が、色々猫ちゃんを診させていただいて、まだまだこの子には癌と闘う力も残っていると思いました。
とっても穏やかな子だったので、猫ちゃんには珍しいですが、鍼もさせてくれました。
エイズのキャリアということで、元々持っていた「腎」の力が弱く、体の中でもここだけ不調を感じました
私のセミナーを受けられた方は、散々私が腎が大事だよって力説してるので、お分かりかと思いますが、腎は単に腎臓機能だけに関わるのではなく、免疫力にも大きく影響します
「腎」は
先天性のエネルギー
(親から受け継ぐもの)
と
後天性のエネルギー
(食事から取るもの)
を腎のエネルギー“腎精”として貯蔵し、各臓器に供給します。
動物では特に大事なところで、老化などにも関わります。
体の他の部分では幸い大きな不調は診られなかったので、この子の場合は、ペット用の抗がん作用のある漢方と腎を強くしていく漢方を処方することになりました
これまた猫ちゃんには珍しく、自分から食べてくれたそうで、やはり必要としてたんでしょうね
そして、この子は先ほどの猫ちゃんの娘ちゃん。
ポットに乗ってる姿がなんともシュール(笑)
この子はまだ6歳ですが、やはり親からもらった腎の力が弱いので、体にもその変化が
まだまだ若いので、この子は今からしっかり後天の腎を補えるように、同じく漢方を飲んでいくことになりました
リンパ腫でも、乳腺腫瘍でも、どんな癌でも、中医学(東洋医学)で見方を変えると、治療法もまだまだあります。
癌をお薬で無理矢理叩くのではなく、
「癌と闘っていく力をその子につけさせること」
私は、それが大事じゃないのかなと思います。
ペットが癌になったとき、どのような治療法を選ばれるのかは飼い主さん次第です。
私は、自分の猫が小腸腺癌になったとき、抗がん剤も使い、ステロイドもガンガン使い、ありとあらゆることをやりました。
でも結果、最期にその子は薬の副作用で、体がボロボロになってしまいました。
何が一番その子にとってよかったのかは未だに分かりませんが、お薬の副作用でずっと苦しんでたのを思い出すと、今でも後悔の念が残ります。
自分がそうだったからこそ、癌と診断された子の飼い主さんとは、特にしっかり話して、飼い主さんに後悔しない治療法を選んでもらいたいと思っています。
この子も、自分の力でまだまだ頑張ってほしいです
今日の大分診察の他の子の話は、また次回に~