優しさの芽 | 福岡の自閉症児ママの療育ブログ

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自閉症などの発達障がいと向き合う福岡在住のママたち

sachiです。


息子が最近ちょっと感情について理解できてきたような、

優しさを体現することができるようになってきたような気がして、

そのエピソードを書かせてもらおうかなと思います。


今年の夏くらいのこと、

息子はおなかが痛くて顔をまっかにしてトイレで苦しんでました。

わたしは一緒にトイレにはいって

「おなかをこうやってなでなでしながら、うんち出ろ出ろ~って声かけると

うんちと一緒に痛いのも出てきてらくになるんだよ。うんち出ろ出ろ~」

と言いながらおなかをしばらくさすっていました。

無事にうんちが出てすっきりした息子。


その後なんと数十分後に私がおなかが痛くなってきてトイレに駆け込みました。

すると息子がぱっとついてきました。


息子「ママどうしたの?うんち?」

私  「ママもおなか痛くなっちゃったんだ」

息子「そうなんだ。なでなでしてあげるね。」


と言い出して小さな手で私のおなかを結構長い間さすってくれました。


すごくいとおしかったです。



また、つい先日のこと。

息子の障害や特性について、

幼稚園生活で関わりのある人に説明や理解を求めないといけないことがあって、

でもその人からかえってきた言葉や話の内容が結構ショックなものだったので、

何とかその場はこらえたのですが、車で家の駐車場に着くなり大泣きしてしまいました。


助手席でDSをしていた息子。

絶対泣いてるわたしに見向きもしないと思ってました。

でも、意外にすぐに反応してくれました。


息子「はっ!ママ?どうしたの」

私 「(きみの障害について迷惑がられて、ひどい言葉をかけられたせいだなんて絶対言えない)・・・

  ・・・ママ、泣いてるの」

息子「おうちに入ったら涙ふかないとね」

私 「そうだね」


家に入っても涙は止まりませんでした。

机につっぷしているわたしに息子は言いました。


息子「どうしたの?ママ」

私  「なんか、悲しくて泣いちゃうんだ。涙が出てきちゃうの」

息子「そうなんだ、悲しいんだ」


その後、上の子の習い事のため、

泣きすぎて起きた頭痛を鎮痛薬でごまかしながら、

失恋したとき以来?ってくらいぱんぱんに腫らしたまぶたで車をはしらせました。

姉が教室にはいっている間、二人で待っているときに唐突に息子は言いました。


息子「ママ悲しくて泣いたの?・・・ママは玄関にあったお花が枯れちゃったから悲しかったの?」

私  「(・・ちがうけど・・・、)そうなの、だから悲しくて泣いちゃったの」

息子「そうなんだね」


思った以上に場を読んでわたしの気持ちをおもんばかってくれたことが驚きとともに嬉しくて、

その夜息子にちょっと突っ込んで聞いてみました。


私  「ママは今日お花が枯れちゃったから悲しくて泣いちゃったけど、

    きみもお花が枯れちゃったら悲しい?」

息子「ぼくはね・・・ママが悲しくて泣いているとき、悲しくて泣く。

    あと、ぼくをひとりにしてどこか行っちゃったときも悲しくて泣く」


さらにすごく驚きました。

相手が悲しいと自分も悲しいなんて、・・・共感する能力がこの子にあったなんて。

それに、悲しいってことを自分なりに理解できるようになっていたなんて。


いつも「こうだったらママは悲しいな」とか「うれしいな」とか伝えるようにしていたけれど、

ちゃんと聞いていて、言葉の意味と行為がつながってきてたんだなって。


お医者さんが息子の障害について診断をしたとき、

「アスペルガー症候群の人はとても純粋で優しくてまじめですよ」

と言ってくれました。

世間のイメージではワガママ、頑固、人にあわせることができない等悪いイメージが強いし、

言われた当時はお医者さんの言葉の意味を半信半疑で聞いていました。

でも、お医者さんの言ってくれた通りでした。


息子の純粋さにはいつも癒されます。

優しさの芽、これからも育っていきますように。