呆れた「海自接待疑惑」の実態 | 笑う門には福来るのブログ

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  「潜水艦 竜宮城も見て回り」(千葉県 姫野泰之) 今日の朝日川柳から

 

【川崎重工が裏金で海自接待か】

 今日の朝日新聞1面トップ記事に驚き、じっくりと読み込んだ。川崎重工業が、下請け企業との架空取引で多額の裏金を作り出し、海上自衛隊の潜水艦乗組員らに対し、希望に応じて物品や飲食代などを負担していたという。

 

 裏金作りは20年前から始まった疑いがあり、数年前からは下請け6社を通じ年間1億数千万円にもなるようだ。

 

 税務調査をした国税局によると、2023年3月までの6年間で十数億の裏金作りを把握していて、重加算税を含む追徴税額は少なくとも約6億円に上るとみている、と記事にある。

 

【海自側からのたかりの構図⁉】

 ではどんな接待が行われていたのか。各潜水艦毎の取りまとめ役がいて、乗組員らの希望を聞きリスト化して川崎重工修繕部に渡していたという。

 

 川崎重工の広報は「商品券やトルクレンチ、ワイヤロープ、ヘッドライト」などと説明。国税局によると「自宅で使うテレビや冷蔵庫・電子レンジ、家庭用ゲーム機、釣り道具など」多岐にわたり、中には約70人の乗組員全員分のお揃いTシャツもあったとか。更に食事の接待が常習化している。

 

 その実態は、長年に渡って乗組員全体が知っていることで、それを川崎重工側に「たかっていた」のではないかと思われる。

 

【特殊な潜水艦業界】

 海上自衛隊が保有する潜水艦は25隻。海上自衛隊約4.5万人のうち、潜水艦隊は約2300人。横須賀の司令部、横須賀基地、呉基地の3拠点内で転勤を繰り返すそうだ。

 

 一方、日本で潜水艦を製造できるのは、川崎重工と三菱重工の2社のみ。深海に潜るため特殊な技術が必要になり「最新の技術・秘密・ノウハウの塊」。防衛省は毎年1隻ずつ潜水艦を発注して、2社が交互に受注するしくみ。

 

 政府は、27年度までの5年間の防衛費を従来の1.5倍の43兆円程度と決定している。川崎重工の関連受注高は、23年度で5530億円、24年度で5890億円以上になる見込みとか。

 

【建造費等に上乗せ?】

 たった2社独占で、受注合戦で贈収賄が起こったわけでもない。それでは接待攻勢は何なのか。昔からの慣行で、海自側からの「たかりの構図ではないか」とある関係者。

 

 三菱重工側では、同じことが全くなかったのか。接待費用が、最終的には潜水艦建造費や検査経費などに上乗せされていたとなれば、税金の私服化でしかない。

 

 たぶん海自側か川崎重工側のどちらかの内部告発か、国税庁の税務調査からの発覚と思われるが、防衛省の「現在乗艦している約1500人の自衛隊員へのアンケート調査」により、より深い実態が判明することを願う。

 

 「接待で深く静かに潜航し」(神奈川県 伊藤亘) やはり今日の朝日川柳から