【56人が都知事選に立候補】
昨日6月20日、東京都知事選が告示された。前回の22人から一挙に56人が立候補した。うち「NHKから国民を守る党」が公認19人、推薦5人の計24人が立候補。実に全候補者の半数近くになる。
その同党立花党首は早々と「選挙ジャック」を宣言していた。「アテンション・エコノミー」。過激さで利用者の関心を集めて収入につなげる手法なのか。注目を集められることなら違法でないなら何でもして主張をアッピールするということか。
【まずポスター掲示場で驚きの光景が】
都知事選にあたっては約50億円の税金が使われているそうだ。都内には約14,000箇所のポスター掲示場があるという。すべて税金で設置されている。
N国党は、ポスター掲示場から1ヶ所を選び、候補者とは何の関係もなくとも、同党に寄付をすれば寄付者が自由に作成したポスターを24枚掲載できると呼びかけた。寄付額は、5月までが一口5千円、6月から一口一万円、告知日からは一口3万円と公募。
内容は全く自由。飼い犬やネコのポスターでもいいし、会社の宣伝でも、ユーチューブのQRコードでもいい。
さてどうなるのかと思っていたら、告示日の昨日から、ひどいことになってきた。秋葉原の交差点では、女性キックボクサーのポスターが凹状に24枚張り出され、「生活困窮者をなくせ!」「カワイイ私の政見放送を見てね」ときた。
「売春合法化ー性産業で経済活性化、堂々と事業化できて税収もアップ」と女性の半尻の写真も。ほかではほぼ全裸のポスターも張り出されたとか。
ポスター掲示場では、候補者のチェックができるものと思ってきたが、公設によるPR広告の場で何でもあり、と化してしまった。
「選挙制度をバカにしている」という批判はごもっともだが、人が想像もしなかった手法、法の抜け穴探しにはあっけにとられてしまった。ポスター掲示場を子どもも見て通ることなど考えてもいないのだろう。
【どうなる政見放送】
狙いはNHKによる政見放送のジャックだろう。知事選は政見放送を1候補者5分30秒以内で、再放送もある。NHKの放送時間をお金を出して購入することなど全くできないが、少なくとも供託金300万円で11分も、基本的には何の制限もなく全く自由に使うことができることになる。
24人の候補なら7200万円の供託金で計264分で4時間24分をも自由に使えることになる。
ポスターの内容については、虚偽事項や他の候補者の選挙運動にかかわる内容、法令に触れる内容でなければ制限がないようだが、政見放送についても基本的に同じだろう。
N国党は、かなり早いうちから発表していたが、どうして今通常国会で今後についての法改正を行わなかったのか、国会の不作為が不思議でならない。次の選挙からはこんなバカなことは許されないだろうが、国会審議の不思議。