自転車の違反に「反則金制度」がやっと実現 | 笑う門には福来るのブログ

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【国会で道交法改正が成立】

 先週5月17日参議院で改正道交法が可決され、法改正がやっと実現した。自転車の交通違反を、これまでの検察庁に送検する「赤切符」から、自動車やバイクで行われている反則金制度(青切符)も行うことにしようとするもの。

 

 16歳以上で、重大事故につながる恐れがある信号無視や一時停止違反など113種類の違反が対象になる。2年以内に施行されるが、早急な施行が望まれる。酒帯への罰則とスマホなどの「ながら運転」は6か月以内に先行施行される。

 

 軽微な違反にも反則金を適用して、交通安全を高めようとする制度改正。しかし実際の取り締まりは、警察官の指導警告に従わず違反行為を続けた時や、悪質・危険な違反を対象にする方針と最初から腰が引けているように見える。

 

【歩行者のつもりの自転車運転】

 先ほども、車を運転していて道路の突き当りでT字路の交差点の赤信号で停車した。青信号になったので右折しようと動き出したら、左から赤信号を無視して若い女性が運転する自転車が突っ込んできて、危うくぶつかりそうになった。

 

 自分は歩行者と同然だから、自分が信号無視しているとは全く思っていないのだろうが、車にしてみれば、青信号になったのでまさか左から“車両”が突っ込んでくるとはほとんど思わない油断がある。

 

 ある時は、信号のある小さな交差点を左折しようとして歩行者を気にしていると、狭い歩道を走って遥か後ろから猛スピードで青信号の歩道を渡ろうとする自転車があった。車にはそんな後ろは全くの死角になっていて、自転車の自殺行為に思えるが、自分は歩行者と一緒だから何の違反とも思っていない。

 

 自転車の道路の右側通行は逆走で、車からすると危険この上ないが、やはり自分は歩行者のつもりなのだろう。スクランブル交差点で、歩行者より多くの自転車が勢いよく走っていくが、これも立派な信号無視運転。改正法施行後に、交差点で警察官が待っていれば、沢山の青切符を切って反則金で国庫が潤うこと間違いなしだ。

 

 よくあるのが、大きな信号のある交差点で、自転車が進行方向は赤信号だが、交差点をそのまま左折していく。これも立派な信号無視だが、意識は歩行者そのもの。右からくる車に跳ねられる恐れが大なのだが、気が付かない。

 

 雨の日、傘を差しながら右側を逆走して夜無灯火でスマホを見ながら運転している自転車もよく目にするが、施行後はこの人は一体何重にいくらの反則金が科せられるのだろう。自転車に乗りながら犬の散歩をする人もいる。酒場に自転車で行って酒を飲み、帰りにそのまま自転車に乗って帰るおじさん・・・。

 

 筑波大学新聞が、秋の4日間の各日3時間、大きな交差点で調査員を置いて自転車の違反を調べたら、「5人に1人」が違反していて、違反者は1000人を超えたという。イヤホン・ヘッドフォンで音楽を聴きながらの走行が一番多く、次いで信号無視だったとか。地方でこうなら都心では5人に1人の違反では到底済まないだろう。

 

 歩道の自転車走行は当たり前に走っているが、道交法では、①道路標識や道路標示で走行可と指定されている場合 ②運転者が13歳未満か70歳以上の高齢者、身体が不自由な方 ③車道や交通の状況からみて止むを得ない場合、に限られている。施行後はどれだけ青切符が切られるものか。

 

【自転車関係の死亡・重傷事故で73.2%が自転車側の交通違反】

 警察庁によると、2022年に全国で起きた自転車が関係する死亡・重傷事故が7107件あったが、そのうち73.2%の5201件は自転車側に前方不注意や信号無視、一時不停止などの交通違反が確認されたという。

 

 自転車が関係する交通事故は年々増加していて、昨年は11月までで約6万5千件で、一昨年の同じ時期より2千件余り多くなっているという。

 

 現在は自転車での違反に交通反則金制度が使えず、自転車の悪質・危険な違反に限り「赤切符」を切って刑事罰の対象として検察庁に送検している。しかし実際に前科となる起訴・判決に繋がるのは1~2%だという。これでは取り締まりの実効性が上がらないでいた。

 

 交通違反で取り締まりを受けてもほとんど罰則は適用されず、一部では自転車はルールを守らなくてもよいという風潮もあると伝えられる。

 

 今回の改正法は、検察庁への送検ではなく、自動車のように、軽微な違反では反則切符(青切符)を交付して、銀行等で反則金を支払えばそれで終了するシステム。1回1万円程度の反則金を支払う取り締まりが頻繁に行われれば、歩行者のつもりの自転車運転者も、より気を付けて運転するようになるだろう。

 

 自転車運転していて、どんな行為が道交法違反になるのか、多くの自転車運転者はよく分かっていない。テレビニュースなどで、これでもかと頻繁に問題指摘をし続けて、違反の認識向上に努める必要がある。簡単な法規を問う試験を実施する自転車免許制度も必要になるかもしれない。

 

 車と同じように軽微違反で青切符が切られ、反則金を銀行などで支払えば終わる法改正が施行されれば、警察官ももっと積極的に交通取り締まりに当たれるようになる。

 

 実際に警告だけでなく、自転車運転者やその保護者が1万円前後の反則金を支払うことになれば、自転車運転意識も大幅に改善され、200億円前後の国庫納付金が入れば交通安全対策資金にもいくらかでも寄与されることだろう。

 

【車の違法駐車の取り締まり強化と自転車安全運転講習の充実】

 道路の自転車走行帯も結構作られてきた。ここでの違法駐車は自転車走行への大きな障害で、違法駐車には即時にビシビシと警察には取り締まってもらいたいものだ。

 

 自転車を購入した時には、自転車運転安全講習映像を自宅でのネットでの視聴を義務付けるなど、安全運転講習を幅広く実施して欲しい。