施行されて5年、元号「令和」の話 | 笑う門には福来るのブログ

笑う門には福来るのブログ

 ブログにようこそいらっしゃいました。
 高校野球をこよなく愛し、「平和」にも敏感でありたいと考えています。

【初代「大化」から248番目】

 今日は5月1日。2019年5月1日に現天皇が即位し、元号が「令和」となった。早いものであれからもう5年も経過したことになる。「令和」は万葉集の梅花の歌、三十二首の序文から取ったという。

 

 最近の「大正」「昭和」「平成」のように、天皇崩御の直後に改元で発表された元号と違い、今回は生前退位で多くの検討時間があったので、様々な選考経過があったことだろう。

 

 2019年4月1日に、「元号に関する懇談会」と閣議を経て新元号「令和」が発表された。その日の記者会見で安倍首相(当時)は、選定経過などを記した行政文書は、30年程度は公開を控える必要がある、と述べている。

 

 その後政府からは、最終案としては①英弘(えいこう)、②久化(きゅうか)、③広至(こうし)、④万和(ばんな)、⑤万保(ばんぽう)、⑥令和(れいわ)の6案だったことが明かされている。①③⑥は日本の古典「国書」、②④⑤は中国の古典「漢籍」を典拠としたものだそうだ。

 

【あくまで日本の古典「国書」からのこだわり】

 そんな折、政府関係者への取材とした先週の4月21日付の共同通信の記事が大きな話題となった。

 

 元号制定の実務を担う事務方では、60~70案を検討して、複数の専門家に依頼して得た5案に絞り、そのうちの「万和(ばんな)」(「史記」を典拠として考案)が最も有力とされていた。

 

 しかし首相は、新元号はあくまで日本の古典「国書」から、と最後まで拘り続ける。更に国書からのいい案はないかと今井首相秘書官(当時)に協力を求め、国学院大の専門家から更に提案を受けて、閣議直前の3月中旬に国書由来の「佳桜」「桜花」と新造語の「知道」の3案を報告したとの記事であった。

 

【いずれも難点】

 別な記事によると「佳桜」がトップで有力となるが、元となった歌が大海人皇子の壬申の乱に関連して内乱を想起させるのではとなり、「桜花」も第二次大戦の特攻兵器が連想される、「知道」は中国語の「知っている」「承知している」という動詞だということが分かる。

 

 そこで再度更に国書が出典で何かいい案はないか、ともう一度専門家に問いかけられ、閣議5日前になって新しい元号案が届きその中に「令和」があり、それに決まったという。

 

 首相は、結局最後まで日本の古典「国書」への拘りが一貫していたようだ。日本の古典を典拠とした元号としては「令和」が初めてだという。

 

【西暦と元号】

 令和となり5年が過ぎた。日本では、西暦と元号が2つ並列してあり、西暦のみを使う者、元号のみを使う者、両方を併記するもの(どちらが先か)など、いまだに混乱が生じている。

 

 元号と西暦の変換では「昭和に25を足すと西暦」「平成に88を足すと西暦」など年齢とか経過年数を算出する時など不便極まりない。

 

 21世紀になったことだし、グローバルに世界と競争する時代でもあり、そろそろ西暦一本に統一する時期ではないかと率直に思うのだが。