国際司法裁判所がイスラエルに「ジェノサイト防止命令」 | 笑う門には福来るのブログ

笑う門には福来るのブログ

 ブログにようこそいらっしゃいました。
 高校野球をこよなく愛し、「平和」にも敏感でありたいと考えています。

【ガサでの集団殺害防止をと暫定措置命令】

 先週1月26日、国連の司法機関である国際司法裁判所は、ガサへの攻撃を続けるイスラエルに対し、暫定措置として「ジェノサイド(集団殺害)行為を防ぐ『全ての手段』を講じること」などを命じた。

 

 イスラエルの攻撃が「ジェノサイド」にあたるか否かを認定する審理は、ジェノサイドの意図を立証する必要があり、最終判断までには数年かかるといわれる。

 

 現状はそれを待っている時間はなく、緊急的に人々を保護するための仮処分で、イスラエルに対して、集団殺害はしないように指示し、1ヶ月以内に人道状況改善などの進捗状況を報告するように命じた。あわせてハマスにも人質の解放を求めている。

 

 今回の命令は、昨年末に南アフリカ共和国が申し立てた。イスラエルがジェノサイド防止に関する条約に違反しているとし、イスラエルに戦闘停止の緊急措置を求めていた。今回の仮処分では、戦闘停止については触れなかった。

 

 国際司法裁判所の命令の決定には法的拘束力が生じ上訴はできないが、強制的執行手段はない。しかし国連の司法機関が、ジェノサイド(集団殺害)認定に前向きに取り組もうとして、暫定措置として「集団殺害はしないよう」仮処分命令を出したことは評価したい。

 

【イスラエル首相は「言語道断」】

 申し立てた南アフリカ共和国は、国際法の支配にとり「決定的な勝利」と賞賛。ラマポーザ大統領は「南アフリカ市民として、我々は消極的な傍観者となるつもりはない。民主主義を掲げ、法の支配を尊重する国家として、イスラエルが命令を順守すると期待している」とコメント。

 

 一方イスラエルのネタニヤフ首相は「イスラエルには自衛権がある。ジェノサイドの疑いをかけるのは言語道断だ。IJCがこうした主張を議論することに前向きであることは不名誉」とする。アメリカも「ジェノサイドの証拠はない」と主張する。

 

 ECの欧州委員会は「イスラエルとハマス双方が、ICJの命令を完全な形で即時順守することを望む」と声明した。

 

 ガサ保健省によると、イスラエルの攻撃で1/26現在2万6083人の死者を数え、多くを女性や子供の非戦闘員が占めているとする。病院や避難所周辺への攻撃も頻発している。人口の85%を超える190万人が家を追われた。高い塀に囲まれ、逃げ場のないガサ市民に、それでも無限定的に攻撃が続くガザ。国際期間がその存在感を示すのは今をおいてない。