1回目は終了ーALPS処理水の海洋放出の今後 | 笑う門には福来るのブログ

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【今年度は4回に分け3.12万トン放出】

 世界が注目する中、8月24日に海洋放出されたALPS処理水は1回目の放出は9月11日に終了した。その量は7800トンでタンク10基分。9月末には同じ7800トンの放出を始め、23年度の4回分の総量は3.12万トンになるという。放出される総トリチウム量は約5兆ベクレル。

 

 福島第一原発では、熱を発し続けている核燃料(デブリほか)を冷やすために、崩壊した原子炉建屋内に毎日数百トンの水を注入している。他に山側から流れ込む地下水が建屋に流れ込み、放射性物質に触れる。

 

 これらの汚染水が毎日1日あたり100~150トンにもなるという。それが1年間で3.65万トン~5.5万トンも溜まってしまう。これをALPSで処理しタンクに貯めるのだが、それが現在敷地内に1000基以上、総量は130万トン(2022年)を越えている。

 

 世間では、順調に海洋排出していけば、数年で敷地内のタンクが無くなると思っている人が多いが、何のことはない、1年間で溜まる汚染水を1年間で海洋放出することになり、延々と海洋放出が続くことになる。

 

【廃炉は2051年?】

 問題は原子炉の廃炉の時期。政府・東電は2051年までに廃炉を完了させる方針だという。それまでに溜まる汚染水は、1日100トンとして30年で約100万トンが増える。

 

 一般の原発の廃炉は、炉心に核燃料がない状態から廃炉作業が始まり30~40年かかる。しかし福島第一原発では、溶融したデブリがどれだけ存在し、どうやって取り出し、どこへ持っていき廃棄するかについて全くメドも立っていない状態で、海洋放出がいつまで行われるのか、誰にも分らない雲を掴むような話になっている。

 

 ALPS処理水は、マスコミ報道を見ているとトリチウムしか含まなれていなくて、それを海水で薄めるので問題なしとする。しかし、除去するはずのストロンチウム90、ヨウ素129,ルテニウム106、テクネチウム99なども基準値を越えて「処理水」に残留しているのが分かっている。

 

 敷地から1キロ先の海底までトンネルを掘って、海底深く放出しているのだが、東電他の海水調査は排出している海底から遥か上の海面上で海水を採取して調べてもどれだけのものが分かるのだろうか。

 

 「原発敷地内はもうタンクで一杯なので、しかたなく海洋放出する」と政府・東電は言っているが、実は敷地内にもまだ多くの保管スペースが空いていて、近隣地で場所がないなら土地を提供するという地元の方もいるのに「場所が一杯になった」と言い続けてきた。

 

 最近では、「廃炉作業でデブリを取り出すのに大きなスペースが必要」と言い始めたが、現在のところ、デブリの取り出し方法と搬出先については全くメドも立っていない。どうして現行のタンクより堅牢で大型のタンクに移し、ALPSよりもっと高度な除去技術を開発しようとしないのか。不思議が一杯である。