私は二十数年前まで
を飼っていました。子供の頃、ペットショップの前を通って可愛い
が居たら、親に「が飼いたいよぉ～
」って言っては、「どうせ世話せんのんやろ
」と言われ、「
犬飼うてぇ～なぁ～」と泣いてお願いして、親が根負けして、祖父が「知り合いのトコが子犬産んだから貰ってきてやる」とを飼いました。しかし、私は小さい頃に、
に追いかけ回された事が有って、正直が恐かったんです。だから、子犬のうちは咬まれるとか思わないから、可愛がるんだけど、歯が生え始めたらやっぱり恐くなって、世話をしなくなり、親任せになってしまってました
そうこうしている内に、その
も年がいって虹の橋の向こうへ行ってしまいました。子供心に悲しみながらも、恐いって思いから親に「もう死んでるんやな？咬まへんな？」と聞いた覚えがあります
その
が居なくなってから、親も「最期看取るのが可哀想や」と、暫くは飼いませんでした。そして、私が高校生の頃、姉が会社の同僚の人の家の
が、子犬を産んだので貰ってきました。姉が早く欲しがったものですから、まだ目もハッキリと開いておらず、ほ乳瓶でミルクを与えなければならない状態で、夜中にもミルクを与え一生懸命世話をして、やっと一人前の子犬になりました。
名前を付けようと、皆で考えたのですが中々イイ名前が決まらず、結局名無しの権兵衛って事で「ゴンベエ」って名前になり、「ゴン」って呼ぶ事に
さすがの私も、余所の家の
は恐くても、自分のは恐いとは思わなくなり、散歩に連れて行くにも凄い力で引っ張り（今考えれば躾けが悪いんですけど・・・。）姉や母の力では負けてしまうって事で、私が大抵散歩に連れて行きました
気性が荒いのか、散歩途中で出会う
には、挨拶なんてもってのほか、飛びかかって喧嘩
を売りに行っていました
でも、私には一番懐き、貰ってきた時に目が開いていなかったので、すり込み現象なのか、姉を親のように思い、とても可愛い
でした。数年後の私が仕事をし始めた頃に、段々と衰弱して、虹の橋を渡っていったのですが、その間色んな事がありました。
詳しくは書けないですが、今では信じがたい事までしてしまいました
それに、ワクチンとか予防接種とかと言う知識も無く、
は外で番犬してればイイと言う考えで、ヤブ蚊の居る私の家の庭で、寒くても暑くても繋がれてました。突然、衰弱し始めて動物病院に行った時には、もう手の施しようが無いみたいでした。
それでも、いつかまた元気に散歩に行ってくれると信じていましたが、やはり最期の時は早くやってきました。
私は24時間勤務を何日かに一度するのですが、私が24時間勤務の明けで、朝に家に帰ってきたら、母の横に横たわり呼吸が荒く苦しそうにしている、ゴンが居ました。
そして、私が帰ってきたのを確認して安心したかのように、大きく最後の呼吸をして何かを言いたそうにした後、虹に橋の向こうへ旅立っていきました
そのゴンが、虹の橋の向こうへ旅立った日は、奇しくも私の叔父の命日で、ゴンが旅立って間もなく、お坊さんが命日のお経をあげに来て下さいました。
まるで、ゴンの為にお経をあげに来て下さったかの様に。
その叔父と言うのは私の父の弟なのですが、貧乏だった私の家は、子供の口減らしにと、高校を卒業すると直ぐに住み込みで働ける所へと就職さされたのです。
そして、慣れない仕事と、初めての住み込みと言う環境で疲れ果てたのか、住み込み先の寮で、夜寝ている間に死んでしまってたそうです。
働き始めて一度も給料を貰う事もなく。。。
その叔父の生まれ変わりが、ゴンだったのかと思うのは、虹の橋を渡った日が同じ日だったと言う事も有るけど、他にも思い当たる事が。
私の家の隣は、昔から裕福な農家で、戦争に負け引き上げてきて貧乏だった私の家は祖父の時代に、貧乏を良い事に優しい言葉で騙されて、食べるのにも困っていた私の祖父に、「お米無いんやったら、貸してあげる」と言われ有り難く借りたワケですが、中々返す事の出来なかった祖父は、自分の持っていた少しだけの土地を、仕方なく、お米の代わりにって払ったそうです。
今でも父は、その事を覚えていて、もう世代が変わってしまって、当の本人達は居ないのに、未だに隣の家を良くは言いません。
と、話が横道に逸れましたが、ゴンは気性は荒かったですが、人に噛み付こうとするほどは怒りません、しかし何故か、隣のお婆さんには気が狂ったように吠えて、今にも噛み付かんとしていました。
お米と引き替えに土地を取られたって事を、知って怒っているように思えたのです。
自分が貧乏故、苦労して給料ももらえないうちに死ななきゃならない事になったのは、隣の家の所為って思ってたかも知れない、叔父がゴンに生まれ変わって、隣のお婆さんに怒り狂ったのかなと思ったりしました。
まぁ、あくまでも想像の世界ですから、偶然と言えば偶然かも知れないけど、こう言った生まれ変わりとか言うのは有るんじゃ無いのかな？と思いました。
長々と最後まで読んで下さり有り難うございました
