ニール・ヤングの1970年で彼の代表作。Crosby Stills Nash & Youngとしての活動で知られた存在であったが、当時の日本ではニール・ヤングの人気はそれほど芳しいものではなかった。もともとCSN&Yはスーパースターたちの集まったスーパーグループであって、ここの個性溢れる才能のぶつかり合いによって成立していたバンドである。ニール・ヤングも自らのクレイジー・ホースというバンドを結成し、ソロ作を発表していたがニール・ヤングがソロとして名を上げたのはこの"After The Gold Rush"の成功後になる。
ニール・ヤングのサウンドは感情を吐き出すような歌唱とストレートでシンプルな演奏が特徴で、無骨だが飾らない魅力が独特の個性的なサウンドを作り出している。シンプルなジャケットにはじまり、サウンドもスタジオで収録しただけのもでほとんどアレンジらしいものは施されていない。ニール・ヤング本人のプロデュースで、バックはクレイジーホースというミニマムな構成に、ゲストとしてスティーブン・スティルス、ニルス・ロフグレンが参加している。ウェストコーストで活動するミュージシャンであるが、もともとカナダ出身ということもあり彼のサウンドには他のウェストコーストのバンドのように明るく能天気な要素は少なくどこか陰鬱のあるサウンドである。そして間奏のギターソロも、彼の歌同様余計なフレーズを一切挟まずジンプルでゴリゴリ押し通すだけのものである。
このアルバムはそういった彼の素の魅力と、音楽に対するストレートな気持ちと方法論が最も充実して表れた作品である。このアルバムの中から"Southern Man"という当時の彼の代名詞ともいうべき名曲も生まれている。もともと音楽はレコードのためではなく、、生で聴かせるライブから生まれた。レコードはもともとそのライブの雰囲気を伝えるための手段にしかなかったが、徐々にレコードでしか表現できないものを表現するために様々な付加価値とそれに対する方法論が加わっていった。ニール・ヤングの音楽にはそういったレコードとしての本来の魅力を再確認させてくれる。彼はアーティストとして歌を作ろうとするときの根源的な衝動を、ほとんど手を加えずそのままアルバムという媒体として伝えてくれる。そんな彼のダイナミックなサウンドは多くのファンからの絶大な信頼を獲得し、多くのひとを惹き付けずにはいられない魅力的なものである。








