Paul McCartney & Wings - Band On The Run | NOTRE MUSIQUE

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Elle est retrouvee.
Quoi? - L'Eternitee.
C'est la mer alleee
Avec le soleil.

Paul Mccartney今やSirの称号まで手に入れたロック界最大の大物アーティストであるポール・マッカートニーの1974年のアルバム。
Paul McCartney & Wings名義になってはいるが、実際はポールと近年亡くなった当時の愛妻リンダ、デニー・レインの3人で製作されたアルバムである。元クリームのジンジャー・ベイカーの勧めで、アフリカのナイジェリアのラゴスでのレコーディングされたものであるが、直前に音楽的に素人であるリンダのバンド参加を好まなかった他のメンバーが脱退してしまうというアクシデントのあった後であった。
1970年のビートルズの正式解散後、各々がソロ活動を始めるわけだが、ポールはソロ作については一番期待されていながらソロ第1弾の"McCartney"はクオリティも最低でセールス的にも大失敗に終わる。当時はポールはやはりビートルズという環境の中でしかその才能を発揮できないのかと大いに失望され、ソロになって大きく開花したジョージと比べると対照的なソロ活動のスタートをきった。ビートルズの中での彼のイメージであり大きな存在理由は彼のポップなメロディーセンスによるところが大きい。ソロになるともっと自由奔放にその個性が発揮されると誰もが思っていたが、その期待は裏切られた。ビートルズファンたちは彼の才能はジョン・レノンという強烈な個性とぶつかることによって生まれたものであったという解釈をし、ビートルズ時代を懐かしがった。
ソロで2枚リリースした後に、Wingsを結成する。最初のソロ作でこけてしまって以来、シーンの目は冷たく、またアルバムのクオリティ自体も芳しいものではなかったが、もともと努力家であるポールは徐々に自分の勘を取り戻しつつあったのも事実であった。"Red Rose Speedway"というアルバムから"My Love"という甘ったるいヒットシングルも生まれ、次に製作されたこの"Band On The Run"でようやく本領発揮ともいうべく充実した作品をリリースした。
このアルバムは脱獄に失敗した囚人に扮したポールやリンダが、ライトアップされてあせっているジャケットが示すとおり、ポールのビートルズ時代の冴えたポップ感溢れた雰囲気で満たされており、組曲的な構成を持ち1曲1曲シングルカットできるほど完成度の高い曲を揃えている。これまでの散漫なアルバムとはうってかわったまとまりのある内容で、ポールマッカートニー復活と、シーンに大いにアピールした。地道なソロ活動の成果の結実の背景の裏には、苦戦を強いられたソロ活動のスタートと、バンドメンバーの脱退というこれ以上後はないというところまで追い込まれた状況からの見事な逆転でもあった。その後のポールの快進撃は周知のとおりで、今も新世代のミュージシャンの育成にも力をいれながら新譜を発表するなどいまだに現役のロックミュージシャンである。今でこそあのポールにもどん底のスランプの時期があったという事実は忘れ去られているが、この頃の経験が現在でも彼のモチベーションの一部になっているのかもしれない。
なお、このポールがソロとして成功の第一歩を手にした1974年はジョン・レノンは"WALLS AND BRIGES"、ジョージ・ハリスンは"DARK HORSE"、リンゴは大ヒットしたソロ第1弾に続き"GOODNIGHT VIENNA"をリリースと、それぞれがソロ活動の幅を広げていき、個性的なサウンドと独自の活動を確立した頃であった。