11月に入りお天気も良く気持ちがいいですね。
基礎疾患を持っている方は、感染症などをはじめ、
あらゆる病気において要注意という話をよく耳にします。
ここでいう基礎疾患とはいわゆる生活習慣病のこと。
代表的なものの一つが糖尿病です。
糖尿病ってどんな病気なのでしょうか?
血液の中のブドウ糖が増えてしまう病気、
ということは何となく分かりますが、
具体的にどこかが痛くなったり、
苦しい症状があるわけではありません。
・・実はそれが一番怖いところ。
知れば知るほどに怖いのが糖尿病。
今回は糖尿病についてのお話しです。
【糖尿病ってどんな病気?】
血液中のブドウ糖は健康な状態であれば、
それが細胞の中に取り込まれてエネルギーの元になります。
血液中のブドウ糖が細胞に取り込まれる為に必要なのが
インスリンというホルモンです。
インスリンは膵臓のβ細胞から分泌されますが、
この分泌が少ない、もしくはインスリンは作られているけれどもそれがうまく働かない場合、
血液中にたくさんブドウ糖が残っている状態が続きます。
さきほども書きましたが、
これだけでは苦しくもないし、痛くもない。
では何が怖いのかといえば、
ブドウ糖がタンパク質と結びつく反応=糖化が恐ろしいのです。
糖化によるタンパク質の変性・・
と言われてもピンとこないと思いますが、
この状態を例えるのによく使われるのが
「焼肉」や「トースト」のお話しです。
お肉を焼くと、赤かったお肉に茶色い焦げ目がつきます。
これがタンパク質とブドウ糖が結びついた状態、
つまり糖化反応(メイラード反応)です。
体の中でも(もちろん体内の反応は熱によるものではありませんが)同じような糖化反応が起こります。
血液中の糖がタンパク質を変性させて「糖化タンパク」になるのです。
体の中のタンパク質が糖化する。
また、炎症によって体内ではたくさんの活性酸素が発生して、それがまた体の細胞が錆びていく原因となる。
いわゆる「酸化ストレス」の高い状態が続きます。
こうした糖化・酸化の悪循環によって
一番ダメージを受けるのは血管です。
私たちの生命活動のインフラともいえる、
血管にダメージが蓄積される。
これが糖尿病の一番怖いところなのです。
酸化に弱いのは脂(あぶら)。
私たちの細胞はご存じのように脂(脂質)で作られています。
血管も細胞の集まりです。
当然、酸化や糖化の影響にさらされて傷んできます
そこで起きてくるのが「合併症」なのです。
【糖尿病の3大合併症】
<腎症>
腎臓の糸球体は毛細血管のかたまり。
腎臓がダメージを受けると、
最終的には自分で血液を濾過できなくなって腎不全になり、
透析治療へと進行してゆきます。
<網膜症>
目は細かな毛細血管と視神経によって成り立つデリケートな器官。
血管が傷むことで出血や網膜剥離が起こり、
視覚障害が進行して最悪の場合失明に至ります。
<神経障害>
神経細胞に血液が届かなくなって全身の神経に障害が起こります。
傷の治りが遅くなって、
それがもとで四肢を切断しなければならないケースもあります。
また【新三大合併症】として最近いわれているのは、
<がん><認知症><骨の病気(骨粗鬆症)>です。
これらはいずれも「炎症」に深く関連する疾患です。
また脳卒中や心筋梗塞などのリスクも高く、
放っておくと命にかかわります。
こうしたことから糖尿病は、
「血管障害病」であることが分かります。
「人は血管とともに老いる」といわれ、
また近年は健康寿命と慢性炎症の関係が明らかになっています。
つまり糖尿病とは「老化促進病」だということが分かります。
そして体が常に炎症状態にあるということで免疫が低下し、感染症へのリスクも高まるのです。
【健康提案】
①病院でしっかりとした血糖値のコントロールを
症状がないので、そのまま放ったらかし・・
ではあとで気づいたときには取り返しのつかないことになってしまいます。
病院で血糖をコントロールし、専門家のアドバイスを受けましょう。
②生活習慣の見直しと血管ケアを
「病院にかかっているから安心」
と病院任せでもいけません。
血糖をコントロールしていても、
長い年月の中で血管は確実に傷んできます。
大切なことは食事や運動といった生活習慣の改善
=セルフメディケーションです。
食事によって過剰なものを入れない、
また運動によって糖の細胞への取り込みを後押ししましょう。
「合併症を予防していく」という観点から、
総合的な治療と対策に取り組んでいかれていることをお勧めします。
生活習慣をサポートするもの、
血管をケアしてゆくためのものをございますので、
気になる方はご相談くださいね。
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