キッチンのレンジが壊れたみたいだ。
↓キッチンイメージ図 (ニョッキをこねるMGとベア)
ベア(青い服)の右肩の奥くらいに、レンジがあるんだけど。うん、見えないよね。
何日か前に停電かヒューズが飛ぶことががあったんだと思う。しばらく冷蔵庫やケトルやトースター、全部が死んだ。パオラが困った顔でうちのドアをノックして、「電気が来ないのよ」と言いに来た。ぼくに何かスキルを期待しているみたいだった。
でも残念ながら、ぼくには直せなかった。その後、電気は復旧したんだけど、レンジは生き返らなかった。
それにしても何かと不便なもので。ラテを飲むにも牛乳あっためられないし、それよりも、手持ちの肉類は全部冷凍してあるし、6食分思い切って炊いた米も、全部冷凍してあるし、要するに食べるものがない。
肉類は時間さえ掛ければ冷蔵解凍も可能なんだけど、それだとほぼ一日前に今夜は何を食べようかと計画しなきゃならないし、それは気まぐれなぼくの胃袋にとっては、ほぼ不可能。実際、普段なら部屋を出てキッチンに入るまでの10秒間にだって、今夜のメニューは変わりがちなのだ。
別に冷凍食品ばかり食べてるわけじゃなくて、てかむしろ、ピザとか食わないし、レトルト嫌いだし、自炊は完全に趣味の粋に達してるくらい好きなんだけど、でも、レンジってこんなに必要だったんだって気付いた。
いなくなって初めてこんなに必要だったんだって分かるなんて、いくつになっても当たり前のしあわせを大切にできない自分はバカだなあと、大げさに言ってみてもレンジは帰らない。タイマーを回しても、前みたいにブーンって言ってくれないし、できあがりのレトロなチンももう聞こえない。
この喪失感は、ここへ引っ越してきた初日、トイレットペーパーが備え付けられてないことに気付いたとき以来だな。我ながら何を思ったか、ハワイから使いかけのトイレットペーパーを持ってきてたから、その日の分は一応まかなえたんだけどさ。
とりあえず明日はお向かいフラットさんにレンジ貸してもらうかな。
いきなりノックしてレンジ貸してくれって言ったらびっくりするだろうな。
