【留学】意思決定(Drucker斜め読み) | ●○ 駄文2.0 ○●

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大阪 → ホノルル → ロンドン → ボストン。日々の由無しごとや思いついた事だとかを。

P.F. Druckerが意思決定(Decision making)について述べている部分が面白い。彼はナレッジ・ソサエティってことをよく言っていたのだけど、そこにおいては全レベルの従業員による意思決定が必要となると述べている。

ナレッジ・ソサエティっていうのは、企業の競争優位の要因が、企業の有する知識による社会だと言える(他にもいろいろな特徴を彼は挙げているのだけど、整理して把握できていないのでいったん保留)。

以前であれば資本力というのが競争に欠かせない要因であったのに対して、ITの発達だとか、先進国における産業の成熟、その構造の変化などを背景に、規模だけでなくてアイデアだとか技術力(こういうのをひっくるめてナレッジと呼んでいる感じ。日本語の知識とはニュアンスが違う気がする)を多く保有する企業が強いのだと。

例えば、以前であれば、労働人口の多くが製造業に従事していた国々で、今では多くの人がサービス業に従事するようになっていることを彼は指摘。エンジニア、マーケッター、セールスなど、マニュアル通りではなく、個人個人の判断なしに仕事を進められない職業に付く人が増えているため、企業全体での意思決定の機会が格段に増えていることになる。

確かに、製造業からサービス業へというシフトは、日本でもずっと前から起こっている。一般的なイメージとして、工場のラインでの作業というのは、単純な動作の繰り返しだと思われるし、それに対して、財務、マーケだとか、SE、Sales Repなんかは自分自身で判断しなきゃならないことは比較的多い気がする。少なくとも、何をするのか、しないのか、という選択の回数は絶対的に多い(ような気がする)。

一方で、じゃあ製造業はスタッフレベルでの意思決定が少なくて良いのかというと、トヨタのカイゼンなんかについて文献で見てると、その改善項目の数にはびっくりさせられる。Spear (2004)が、ハーバード・ビジネス・レビューに寄稿している'Learning to Lead at Toyoya'では、マネージャ候補として採用されたばかりのアメリカ人が、数週間の研修期間にトヨタ式を身に付けていく(というか叩き込まれる)課程が紹介されている。彼は工場のラインにべったりとくっつき、3日で50項目、要するに22分に1つの改善点を挙げることを要求されたりしている。

オペレーションレベルでの意思決定が増え、企業が有する知識の量が競争優位の要因となる、という話。するとボトムアップの意思決定をうまく適応するため、戦略にフレキシビリティが重要となるのだけど、一方で、この大量の意思決定の判断基準となるものもまた戦略だったりするので、単純に成り行きに任せた戦略(それも戦略と呼ぶのかどうか)と言うのも問題ありなわけで。