ソフトウェア不具合をゼロにする! -2ページ目

航空機のフェールセーフ

影響度レベルによってフェールセーフの仕方は異なりますが、

システム運用の内容によっても、フェールセーフは変わってきます。


航空機の場合。


航空機が空を飛んでいるときに故障が発生してしまった場合、

近くの空港などに降りてこなくてはなりません。


ですので、1ヶ所が故障して止まっても、

他でカバーして動き続けられるように設計されています。


例えば4つあるエンジンのうち、1つが止まってしまったとします。

しかし、エンジンは3つ残っていますので、それぞれの出力をすこし上げることで、4つあったときに近い推進力を得ることができます。


そのため、そのまま飛び続けることができ、

近くの空港までたどり着けるようになっています。


1つのエンジン自体もバックアップの仕組みが作られており、

ある部分が壊れても、他でカバーしてすぐには止まらないようになっています。

エンジンが止まること自体が、なかなか起きないように作られています。


以上のように、いろいろなバックアップ手段がとられていますので、

航空機は安全に空を飛べているのです。

製造業でのKYとは

世間ではKYというと「空気が読めない」の略というのが一般的なようですが、

製造業でKYというと、「危険予知」のことを指します。


製造業では、何よりも安全が重要視されます。

建築現場などで見かける「安全第一」は、安全を最優先にするという意思を示しているものです。


このブログで紹介しているのは設計における未然防止ですが、

現場作業における未然防止が、KY活動になります。


 「これから行なう作業にどのような危険が考えられるか」を想像して、

 「それはどのような場合に起きるか」を考え、

 「どのようにすれば危険が回避できるか」を確認する。


KY活動の手順は、DRBFMと同じだということが分かります。

異なっているのは、対象が現場作業になっているというところだけです。


作業をはじめる前に、起きうることを想像し、対処する。


安全を確保するのも、不具合を出さないようにするのも、

やるべきことは同じなのです。

影響度レベルでフェールセーフの仕方は変わる

自動車、航空機、携帯電話などといろいろなシステムに関わってきましたが、それぞれフェールセーフの仕方が異なります。


それもそのはず。故障による影響の度合いに応じて、対処の仕方が異なるからです。


【影響度レベル】

 1. 人命に影響を及ぼす

 2. 直接的に、人の財産などの影響を及ぼす(物が壊れるなど)

 3. 間接的に、財産などに影響を及ぼす(装置停止による生産への影響など)


影響度レベルが高いものほど、入念な対処が必要となります。


自動車や航空機は、人命に直結します。だから、フェールセーフは多岐にわたり、また厳しいです。携帯電話は、人命への影響はあまりありません。その分、対処の範囲は小さくなります。


フェールセーフは入っていれば入っているほど安全ですが、その分コストが高くなってしまいます。ですので、安全性とコストの兼ね合いをみて、ちょうど良いところとするのが頭を一番悩ませるところであり、同時に設計の醍醐味となります。