名月も ついつい団子に 気をとられ
爽涼たる気もするのに、温かみもあるような、月の輝きは不思議な魅力に満ちて、長い間我々に寄り添い、心を惹き付けてきたのでありました。
ふと、団子もいいが、たこ焼きも良いなと思い浮かべて、思わずぼんのくぼに手を当てた手前でございます。
十五夜のお供えだから、団子は十五個と申します。
たこ焼きも、十五個並べて「十五夜焼き」というのは、いかがでござんしょう。
ススキの風に揺れたる様に、見事、まあるいお月さんが微笑んで、月見草も夜道に灯るように咲く様を思い浮かべつつも、どうもちらちらと、団子の姿が見え隠れいたします。
手前の頭ん中は、こんな具合でございます。
さて、夕暮れ近くの空を仰げば、なにやら雲が覆っていると思った矢先、何と雷さんが杜の都に到来し、雨でございます。
雷さんの打ち水か、西は明るいようで、宵には晴れそうでございますが、どうぞお月さんのお顔を拝ませてくださいまし。
昨日で大地震から半年経ち、難儀なことが多いことでございますが、世の中には面白いこともあるものです。
この難儀を乗り越えるには、目立つことや、特別なことばかり追いかけていては駄目なのでございます。
まずは、日頃の何気ない努力やら、当たり前の暮らしやらを、きちんとするのが礎なのであります。
何百何千という庶民の、当たり前の暮らしがあってこそ、世は動き、町は作られていくのであります。
時には、ちゃんと空も眺めて、人以外の大きな力から恩恵を受けているのを、思い出すのが良うございます。
手前ども人なんざ、あらゆる物事や生き物の中の一つであって、互いに力を貸し借りして生きているんだってことを、忘れちゃぁなりません。
追記: 9時50分頃、空を見上げたら、お月さんの姿が見えました。