伊達様の旅立ち稲荷 | ふくらく通信「ゆるゆる歩記」

ふくらく通信「ゆるゆる歩記」

東北人です。日々思う事や、ゆるゆる歩いて見つけた町の魅力など、なんだりかんだり語っています。

時々寄ってみる神社では、 朱色の鳥居をくぐると、その直ぐ先で草むらから顔を出す、とあるお方に出会う。

「夜中にお出かけしているのでは。」
「月夜には踊っているかも。」などと、思わず想像してしまう。        
    

ふくらく通信   稲荷神社の神様の遣いである、お狐さん。



仙台市の南側、河原町と長町の間で、広瀬川に架かる広瀬橋は、その昔「永町橋」という名前だった。

それが、明治に新しく日本初の鉄筋コンクリート造りの橋になり、名前も「広瀬橋」と変わった。

さて、長町からこの広瀬橋を渡ると、その先が仙台の御城下となる。

江戸時代の参勤交代の際は、この橋を渡って、江戸と仙台を行き来した。
河原町とその傍の永町橋は、旅立ちの起点となる場所だったのだ。

河原町側の永町橋のほとりには、城下に入るための木戸と茶屋があった。
そして、橋から近くの、川に沿って少し東側に行った辺りに、伏見稲荷神社の分祀がある。

           ふくらく通信
伊達家は代々、出府とお帰りの際に、道中の安全をこの神社で祈願参拝していたという。

そのため、この稲荷神社は「旅立稲荷」と呼ばれるようになり、広く人々の旅の守護として敬われてきたそうだ。

その「旅立稲荷」さんは、永町橋から広瀬橋に変わり、さらに戦後に新しく架け替えられる時を経た現在でも、広瀬橋の近くに佇んでいる。

                   ふくらく通信