大阪は時空が歪んでいるのかな? 松井知事の不思議な演説 維新タウンミーティング | どうなってんの?大阪都構想

どうなってんの?大阪都構想

いわゆる大阪都構想のこと、もっと知りましょう。

動画2014/10/25 維新の会タウンミーティング@平野区 橋下徹 演説その2」の一部書き起こしです。

https://www.youtube.com/watch?v=Rdf0LCyzt1A&feature=player_detailpage#t=430

W選時に、「大阪市をバラバラにはしません。」「24区、24色の鮮やかな大阪市に変えます!」と公約していた橋下市長の傍らで、松井知事が、「政治家は約束したことを成し遂げる、その約束を反故にしちゃ絶対だめです。これを反故にする人は、政治家の資質、資格はありません」と力説しています。

 
↑W選時に維新が配っていたビラ

しかし、大阪都構想の実態はこれ。

 
↑大阪市はバラバラの5区に…



時系列を整理しておきます。

平成22(2010)年

2月 自民党が代表質問で※2と発言

春号 自民党府議団だよりに※1と掲載
    ※松井氏が指摘している自民のビラは、このころのもの

 3月 橋下知事(当時)を代表とする「大阪維新の会」が大阪20都区構想を発表

4月 橋下徹大阪府知事(当時)の肝入として大阪府自治制度研究会が発足

12月 意見の最終とりまとめ(大阪に都区制度をそのまま単純に適用することは適当ではなく、大阪にふさわしい新たな大都市制度を実現する必要があるとし、まずは府、大阪市による政策協議会を設置し、最終的には新たな大都市制度を実現するために府市が共同で国に制度改正を求める必要があるとした)

平成23(2011)年

4月 統一地方選挙(府議会議員選挙等)

7月 大阪府議会は「大阪府域における新たな大都市制度検討協議会」を設置

11月 ダブル選挙(大阪市長選・大阪知事選)

平成25(2013)年

2月 第1回大阪府・大阪市特別区設置協議会の開催
    ※いわゆる大阪都構想の具体化はここから

 

ここからが、松井知事の演説の書き起こしです。

7101122

要はね、対案、それぞれの案ていうのは、政党持ってるんです。ところがね、皆さんの前、選挙の前行くとね、いいことばっかり言いますけど、これ、僕が冒頭に言ったように、政治家っていうのは選挙で約束したらやりきんのが、政治家のもう使命ですよ。それがもう政治家として当たり前のこと。ところがね、次の選挙もまたね、まあ来年なんですけども、いや、別に反対はしてないんやとか何とかね、まあそんな適当なことを言う人が出てくると思いますから、そういう人に騙されないように。実は前回のね、選挙。平成24年。え、23年。統一地方選挙があった時、とある政党。とある政党がね、大阪中に撒いた政策の公約、ビラがあります(←ビラは22年春号ですからデタラメです)。そのビラにはなんて書かれてたのか。とある政党と言いますけどまあ、ここにあるんですけど、まあ自民党て書いてますんで、自民党の前回の選挙のビラなんです(←選挙は23年春、ビラは22年春)。ここの写真の人がね、その当時の自民党府議会の、まあもう要職、幹事長さんです。で、このビラに、なんて書かれてるかと言うと、前回の選挙前、自民党は、府議団幹事長「財布一つ、指揮官一人というワン大阪を実現をすることが第一の急務」(※1)と、こう書かれているんです。で、その下に、「我が会派は、大阪の再生と将来の発展を考えれば、府と市を解体・再編する、ワン大阪構想については大いに賛成する」(※2)と。これを、前回の選挙、約束でビラ撒いてる(←選挙は23年春、ビラは22年春)。でも、27日には反対なんです。要はね、皆さんがね、前回の選挙のこのビラなんちゅうのはね、皆さん覚えてないと思てるんです(←有権者は時系列が分からないとでも思っているのでしょうか)。皆さんの前では、前回の選挙の時は、ワン大阪。僕らそのとき言い出しましたよ。橋下代表と、僕もその時は府議会の議員でした。ワン大阪にしないと駄目になる。だから制度を変えましょう。言い続けてた。その時ね、自民党は、当選したいがばっかりに、ワン大阪に賛成しとこうと。今、選挙の前に賛成しといたら、それで、有権者誤魔化せるといって、このビラを大阪中に撒いた(←時系列を無視したデタラメ!)。撒いたもんが残ってるからね(←撒いた時期も、発言した時期も平成22年と記録が残っています)、今、彼らのところにはこれブーメランとして返ってきてる。皆さん見といてください、27日。このビラを撒いて、平成23年の選挙戦ったけども(←全部デタラメ)、27日には、否決しますから。おかしいじゃないですか。はっきり書いたもん残ってますよ(←はっきり平成22年と書いてあります)。これね、次の選挙になったらまたね、皆さんのそばに来たら、いや、まるまる反対してる訳やないんやと。橋下徹、口悪いから反対とかね、性格悪いから反対とか、松井一郎の顔が気に入らんとか、ま、そんなね変な理屈つけてね、反対してるんやないけど、二重行政、二元行政の解消、当たり前やからやりたいけども、まあ、ちょっとなあ、あの二人はやり過ぎやから、もうちょっと時間を掛ければいいんや。こういうことを選挙になったら言うてきます(←二重行政の解消は大阪都構想でしかできないものではないし、反対理由は各会派が議会で述べています。性格や顔の問題ではありません)。ゆっくりもうちょっと話し合いしたら、我々も納得やで、言うてきますけど、これ平成23年のビラ(←平成22年春のビラ)。彼らいつまで話し合い続けてるんですかね(←まともな話し合いを避けたのは維新。法定協議会の議事録にも残っています)。23年にははっきりやると約束をしてるんです(←22年春に、現在の大阪都構想は存在していません)、皆さんに。その、皆さんに約束をした結果、皆さんの中でもね、自民党ひょっとしたらやるんじゃないか、いうことで、投票された方もいらっしゃるんです。その皆さんの意志を、もう27日、全て彼らは裏切りますから(←全て時系列を無視してつくったデタラメ話)。要は僕が最初に言ったように、政治家は約束したことを成し遂げる、その約束を反故にしちゃ絶対だめです。これを反故にする人は、政治家の資質、資格はありません(←W選時に維新が配った、大阪市をバラバラにしないというビラのほうが公約違反です)。是非皆さん、そういうところで、次、来年の統一地方選挙は、是非とも、そういうところの判断、間違えないようによろしくお願いをします(←きわどい事前活動?)。

(書き起こしはここまで)

 

ちなみに※2の発言について、議事録では、

吉田利幸府議:我が会派は、大阪の再生と将来の発展を考えれば、府と市を解体・再編するワン大阪構想については大いに賛成するものでありますが、今になって、どうして府市再編を打ち出されたのでしょうか。また、大阪府、大阪市を最終的にどのような形に持っていこうとされているのでしょうか(中略)府市再編について、実は大阪市会の執行部とも私どもも話し合いました。それで、ゴールの形が大阪都なのか、大阪市が言われるスーパー政令市なのか、この辺のことは明確にしていただきたい、そうでなかったら議論はできない ということを言っておられますが、この点については、知事はどう考えますか。
橋下知事(当時):大阪都になるのか、スーパー政令市なのか、このあたりは、ゴールはどちらも一緒だというふうに思っています。要は、広域行政のエリアをどこまでととらえるのかというところ、まずそこをしっかりと議論しなければいけないと。ですから、少なくとも大阪圏域での広域行政の範囲を大阪圏域全体だというふうにもし平松市長がとらえていただけるんであれば、それはスーパー政令市であろうが何であろうが、別に構わないというふうに思っているんですね。

(平成22年2月 定例会本会議-0226日-02号より抜粋)

 

平成22年2月以降、橋下氏自身も、府市再編に対する考え方が大きく変わっていますよね。少なくとも、平成22年春の自民のビラを、平成23年春の統一地方選挙時のものとして批判するのは、無理がありすぎます。自分たちがW選時に配っていたビラこそ、公約違反ではないのかと言いたいです。

 

参考資料:

維新タウンミーティングのパネル、
(パネルには平成22年と書いてあります)


wiki 「大阪都構想」

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A7%E9%98%AA%E9%83%BD%E6%A7%8B%E6%83%B3