ジェームス・ロッホラン氏逝去 | 復刻版

復刻版

栄光より挫折、成功より失敗、勝利より敗北…。

指揮者のジェームス・ロッホラン氏が、
6月19日に亡くなったことを知った。
没年92歳とのことだが、
晩年は認知症を患っていたそうだ。

日本フィルの指揮者として、
度々、来日していたが、
私が中学生の頃か、ビクターから、
エニグマレーベルの
レコードが発売された。

「惑星」と記憶していたが、
ネットで検索したら、
「英雄」しか出てこなかった。
私の記憶違いかもしれない…。



ジャケットに掲載された写真の、
バルビローリの後任として、
ハレ管弦楽団を指揮して5~6年、
若き日の姿が印象的だ…。

そんなロッホラン氏のライヴを
初めて聴いた記憶が残っている。
神奈川県民ホールでの、
日本フィルの横浜定期演奏会だった。

80年代初めの頃だが、
何故、覚えているかというと、
ホルストの「惑星」と、
その前にモーツァルトの
トルコ風協奏曲が置かれて、
ヴァイオリンを千住真理子さんが弾いた。

多分、千住真理子さんが、
まだ慶應高校の学生だった頃で、
チャーミングな容姿と、
秀逸な技巧に魅了されたのだ…。

当時、カラヤンが指揮して、
若き日のムターが演奏した、
同曲がLPで発売されたが、
それに劣らない演奏だと記憶する…。

その後、ハレ管弦楽団を指揮した、
LP等の音源を入手したし、
日本フィルを指揮するため、
度々来日したので、
ライヴ演奏を聴く機会も多かった。

日本フィルのホームページでは、
過去の演奏会を調べることが出来るが、
アーロン・ローザンドが弾いた、
ウォルトンのヴァイオリン協奏曲も
良い演奏だったことを覚えている。

一方で、同じ日に演奏した、
エルガーの交響曲2番のことは、
全く記憶に残っていない。
この曲が好きになったのは、
ずっと後のことである…。

そして、最後に聴いたのが、
2006年11月16日の
エルガーのヴァイオリン協奏曲と、
ホルストの組曲「惑星」だった。
今は昔、約18年前の出来事だ…。

私の青春時代からレコードを聴き、
そして、度々ライヴに行き、
親しみのある指揮者だったので、
既に活動は終了していても、
訃報はとても残念に思う…。